「NOKIZAL」決算ピックアップ
クラウドファンディング「CAMPFIRE」1.5億円の赤字 直面する課題は
クラウドファンディングサイトを運営するCAMPFIRE(東京都渋谷区)が11月9日、官報に掲載した決算公告(16年12月現在)によれば、当期純損失は1億5000万円の赤字、累積の利益や損失の指標となる利益剰余金は2億7000万円の赤字だった。
CAMPFIREは2011年設立。代表はシリアルアントレプレナーの家入一真氏。運営する購入型クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」の実績は17年11月現在、累計プロジェクトが約9000件、支援者数が約33万人、累計資金流通総額は36億円超となっている。17年に入ってからは、友人限定で資金を集めるアプリ「polca」、仮想通貨取引所「FIREX」(現在休止中)、支援状況などを与信にする短期融資サービス「CAMPFIREレンディング」の提供も開始した。
資金面では17年1月に3.3億円、6月に6億円を調達し、累積調達額は10億円超。10月にはマネーフォワードとの資本業務提携も発表した。
競合の購入型クラウドファンディングサイトはReadyfor、Makuakeなどが挙げられる。
ここがポイント
17年に入って大型の資金調達に、Fintech系の新サービスを矢継ぎ早にリリースしているCAMPFIRE。16年2月に代表に復帰した家入氏が、いよいよ本領発揮といったところでしょうか。メインサービスであるクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」自体の累計資金流通総額も、新サービスのプレスリリース時などの数字を追うと、16億円(16年12月)→20億円(17年3月)→24億円(17年6月)→29億円(17年8月)→36億円(17年11月)と17年に急激に伸びています。
しかし上記の数字から推測すると、17年の流通額は20億円を超えていそうな一方、単純に手数料を掛け合わせた売上予想は2.6億円にとどまります。今回の決算でも1.5億円の赤字でしたが、新サービス開発に伴う体制強化を踏まえると、18年以降もビジネスとしては結構な赤字ベースが続きそうです。
9月に日本にも上陸した元祖クラウドファンディング「Kickstater」は、09年のリリースから現在までに累積で3600億円を調達。CAMPFIREやReadyforと同じ5年目に当たる14年だけでも600億円もの調達に成功しています。この規模感と比較すると、ここに来て足元の数字は伸びてきているとはいえ、CAMPFIREに限らず、国内では当初の予測ほどは普及が進んでいないのが苦しいところです。
とはいえ、もともとクラウドファンディングには収益性だけでなく社会貢献的な要素もあるので、現状の3社の規模と足元の伸びであれば、事業継続性の確保までならあと一歩かなとも思います。ただ、直近のCAMPFIREの動きは、テクノロジーを介したお金のやりとり、コミュニケーションの在り方により踏み込もうとしているように見えます。
以前、家入氏らが立ち上げた、学費が払えない学生をクラウドファンディングで支援するサービス「studygift」でこんなトラブルがありました。「資金を募る学生が退学した」という現状を正しく支援者に伝えておらず、支援金の使途の説明も不十分だったというものです。CAMPFIREは「お金を受け取る側の善意にどこまで任せ、どこからをルールのもとで行動・説明させるべきか」という課題への再挑戦にもつながるでしょう。
この課題はVALUやCASH、タイムバンク、あるいはICO(Initial Coin Offering:新規コイン発行)といったお金にまつわる新しい取り組みにも共通するものです。CAMPFIREが課題にどう取り組むのか、注目です。
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《著者紹介》
平野健児。新卒でWeb広告営業を経験後、Webを中心とした新規事業の立ち上げ請負業務で独立。WebサイトM&Aの「SiteStock」や無料家計簿アプリ「ReceReco」他、多数の新規事業の立ち上げ、運営に携わる。現在は株式会社Plainworksを創業し「NOKIZAL」を運営中。
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「NOKIZAL」決算ピックアップ
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