otsuneの「燃える前に水をかぶれ」
謝罪マスターに聞く、日大フットボール会見の何がまずかったのか 竹中功×おおつねまさふみ対談第1回(1/2 ページ)
炎上対策会社MiTERUを立ち上げたネットウォッチャーのおおつねまさふみ氏と、吉本興業に35年間在籍し、数々の謝罪会見を取り仕切ってきた経験から「謝罪マスター」の肩書きを持つ竹中功氏。ネットとリアルの2つの世界をよく知る2人がネット炎上、ネットというメディアの特性、私設警察やマウンティングなど、多岐にわたるテーマについて語った対談を3回に分けてお届けする。第1回は日本大学フットボール事件を題材に、謝罪会見の心得について。
おおつねまさふみ 竹中さんと言えば、いまや「謝罪マスター」として引っ張りだこですね。
竹中功 ちょっとプチバブルきましたね(笑)。
おおつね マスコミとかネットで炎上があったら、謝罪について竹中さんに語っていただこうと。
竹中 何か不祥事あると、まずテレビを通じて謝罪せさなあかんみたいな時代ですからね。ただ、本当に「まず謝罪」なのかっていうのは疑問です。謝罪をする前にやることが実はいっぱいあるんですよね。それは、被害者への謝罪かもしれないし、2度と起こらさないためにの再発防止策を練って、まず社員やスタッフさんとかみんなに共有することかもしれない。みんな順番を図り間違うてるんじゃないかなっていうのはものすごい感じますよ。
おおつね 謝罪は不祥事とか揉め事とか「人に迷惑をかけてしまった」っていうところから始まっていますしね。
竹中 しかもね、そもそも起こったことを解明せなあかんはずなのに、謝り方がどうとかとかにフォーカスがずれていく。どんな事件や事故でも事実はひとつなんですよ。3人が事故で入院されたのなら「数人」じゃなくて「3人」って言わなあかん。大きな事故ならともかく数で言えるものは絶対に間違ったらあかんのですけど、ここでさえヌルいですね。去年の大相撲の一件もそうでしたわ。グーでド突いた、パーでド突いたと言うてたかと思ったら、シャンパンボトルとかビール瓶とかカラオケのリモコンとか(笑)。
おおつね 何で殴ったのかもはっきりしない謝罪でしたね。
竹中 ですよね。でも事実はひとつのはずなんですよ。それさえも究明できへんということは、もっと他に隠していることがあるんかなって勘ぐられる。そういう意味でも事実をはっきりすることはとても大事ですよ。
なぜ気づいたときに謝らないのか
おおつね 例えば、謝罪相手の学校の名前を読み間違えるとか、固有名詞の下の呼び方を間違えてるとか。そんなことも確認していないと、誰に対して謝ってるのかさえ把握してないんじゃないかっていう扱いをされますよね。
竹中 例の日本大学の件での大学名の言い間違いね。伊丹空港で会見されて、次に羽田空港で会見されたときには直ってたんですよ。間違ったん気づいてんやったら何でそこで謝らないんですかね。
おおつね 謝罪会見に出るような人たちは「いや、そのぐらい良いと思ってたんだけど……」というような人ばっかりということですよね。
竹中 事の重大さみたいなことを、自分の視点だけで見てると全体像がわからないんです。相手の側に回って何が起こったのか・何を被ったのかを考えることで、答える言葉も違えば詫びるポイントも見えてくるんですけど、全部自分の目線でしか見てないんですね。怪我が「大したことないやん」っていうのはその人の目線ですよ。じゃあ怪我した人の身になってよと。心配するお父ちゃんとお母ちゃんの身になってよって。相手の側に立ってみてモノを考えるという視点がなさすぎるんです、このごろ。
おおつね それに関連していうと、竹中さんの本、なかでも『よい謝罪』と『広報視点』はネット炎上・ネット謝罪とかの炎上対策に関わるキーになる本じゃないかなと思ってるんですよ。
竹中 ありがとうございます。
おおつね どちらの本も、何か不祥事をやらかしたときはすぐに対応して、謝るべきことを謝って、事実を確認してレスキューをしてっていう順番を踏んだ上で、最後にどうやってものを伝えるかって話になる。何事も、受け取る側・聞いている側・見ている側がどのように感じるのかっていう視点に立って伝えていかないといけませんよ、と。
竹中 そうなんです。伝えることへの理解、もっと言うと愛がないとあかんですよね。今回だとフットボール部だけじゃなくて、大学も全部巻き込みましたよね。日大は関連の中学校とか高等学校とかを含めると14万人いるそうですね。OBやOGを入れると百数十万人。
おおつね マンモス大学ですよね。
竹中 その人の親兄弟や子供も親戚もおるとしたら、数百万人の人が日大の関係者でしょ。その人たちまで巻き込んでるっていう視点で見てれば、会見の中で数百万人の方への説明とお詫びがいるんですよ。
おおつね 日大関係者のほうでも「この人何でこんなこと言ってるんだ」みたいに思った方がたくさんいたみたいですね。
竹中 日大職員の方々は、自分らがだいぶずれてるっていうことを理解されてないですね。「SNSで広まったことが心外だ」と言うけども、じゃあSNSで広がったどの部分のことで、それをどう思ったか言うてない。あんなこと言われた日には、SNS自体認めてへんみたいな感じするじゃないですか。
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炎上対策会社「MiTERU」を立ち上げたネットウォッチャー、おおつねまさふみ氏によるリスクマネジメント連載。火がついても燃え広がらないようにするためにやるべきことは?。
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