白木智幸のITフィットネス
PCのバッテリー駆動時間がスペック表の公称値と一致しない理由(1/2 ページ)
こんにちは。白木智幸です。今回はノートPCやタブレットの生命線ともいえる、バッテリー駆動時間の秘密に切り込んでみたいと思います。
皆さんは「スペック表に記載されたバッテリー駆動時間が、実際の駆動時間と違う!」という経験をされたことはありませんか。スペック表といえば、数字に間違いは許されないはずなのに、なぜこのような事が起きるのでしょうか。
いきなり回答します。バッテリー駆動時間を測定している環境と、お使いの環境が異なるからです。……といっても、すぐに納得される方のほうが少ないでしょう。では、自動車の燃費に例えてみましょう。こちらもまた、カタログに載っていた燃費と実際の燃費が違ったという経験をお持ちの方は多いはずです。
自動車の燃費測定にはあらかじめ定められた基準があります。発進や停止を繰り返して、なるべく実際の利用状況に近づけて測定しようというものです。
ところが、実際の交通事情は地域や時間帯によってもまちまちで、試験と全く同じ走り方になることはありません。このため、実際の燃費との差が生じてしまうのです。実はバッテリーの駆動時間の計測も、燃費と同じように決められた基準で測定されています。
スペック表で見たことがある方もいらっしゃると思いますが、日本では「JEITAバッテリ動作時間測定法(Ver.2.0)」という計測方法が広く採用されています。これはディスプレイの明るさを150カンデラ/平方メートルに設定し、無線LANに接続。その上でフルHDの動画ファイルを再生し続けた状態、デスクトップ画面を表示した状態それぞれでバッテリーが100%から0%になるまでの時間を計測して、平均値を求めます。
明るさ150カンデラ/平方メートルというと、通常使用で少し暗く感じる程度の明るさです。最新のiPhoneが最大625カンデラ/平方メートルというスペックになっていますので、ざっと4分の1くらいの明るさというイメージです。
筆者はこのVer.2.0の策定の際に、外資系PCメーカーの担当としてリリース前の確認会議に参加していました。当時使われていたJEITA測定法Ver.1.0(2001年策定)の測定値が、実態と大きく異なる駆動時間を示していたことから、その実態に合わせた最適化が新基準策定のポイントでした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
白木智幸のITフィットネス
パソコンやタブレット製品の知っているようで知らないポイントや、IT関連の難しいことを分かりやすくお伝えすることで、最新のテクノロジやITを楽しみながら、よりよい働き方・ライフスタイルにつながるエッセンスをご紹介します。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
4
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
5
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
6
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR