ニュージーランド乱射動画の拡散はなぜ止められないのか 元Facebook幹部が解説
ニュージーランドのクライストチャーチで3月15日(現地時間)に発生し、50人が犠牲になった銃乱射の犯人がFacebookでライブ配信した犯行動画と、犯行直前に8chanで公開した“マニフェスト”のネットでの拡散がまだ続いている。
ライブ動画は約17分間配信され、その後削除されたが、YouTube、Twitter、8chan、Redditなどにその録画が多数の第三者によって投稿された。
Facebookは同日、公式Twitterアカウントで「ライブ動画が配信された直後に警察から報告を受け、われわれは動画および配信者のFacebookとInstagramのアカウントを削除した。われわれはまた、この犯行を賞賛したり支持したりする投稿も見つけ次第削除している」とツイートした。
Twitterは「この悲劇を撮影したコンテンツを監視し、削除している。今後もTwitterルールに従って監視を続ける。また、ニュージーランド当局と協力し、調査を支援している」とツイートした。
YouTubeは「ニュージーランドでの今日の悲劇に心を痛めている。映像削除に尽力していることを理解してほしい」とツイートした。
Redditは動画が投稿されていた「r/watchpeopledie」というサブレディットを閉鎖した。
8chanは16日になって「8chanの管理者は、犯罪者が多くのWebサイトを使って犯行を宣伝した最近の事件について、法執行当局に協力している。われわれは常に米国の法律を守っている。当局の捜査を妨害しないよう、これ以上のコメントはしない」とツイートした。
各社が拡散防止に取り組んでいるにもかかわらず、完全には削除できていない現状について、Facebookの元CSO(最高セキュリティ責任者)のアレックス・スタモス氏がTwitterで解説した。同氏は現在、スタンフォード大学で非常勤教授としてサイバーセキュリティの講座を持っている。
「今回の問題のポイントは、動画がソーシャルメディアで拡散するいわゆる伝統的な意味での“バイラル化”ではない。ネットやメディアが危険過ぎる動画と文書が存在すると喧伝したので、多数の人々がそれを検索し」たことと、「ある恐ろしいオンラインコミュニティ(拡散防止のためにコミュニティ名は伏す)のアクティブメンバーである犯人が、コミュニティ上で公開したマニフェストでFacebookライブ動画へのリンクをあらかじめ告知したため、何千人もの人が動画のコピーをリアルタイムで入手した」のが問題を難しくしているという。
上記の2つの動きにより、「数千万人のコンシューマーが見たがるコンテンツを数千万人の見せたがる人々がIT大手を間に供給」しており、「YouTube、Facebook、InstagramはISIS危機を受け、既に対策ツールを強化している」が、規模とスピードが大き過ぎて追いついていないとスタモス氏は説明する。
「これはバイラル化の問題ではなく、IT大手らが自由社会でほんのわずかなデータを数百万人がやりとりするのを防止するための力をどれだけもっているかという問題だ。そして、IT大手はあなたが思うほどの力を持っていない。拡散してしまったコンテンツは、ダムの穴を塞ぐ数千本の指の周りから漏れ出した水のようなものだ。IT大手らは投稿された問題コンテンツの99%をブロックしているが、それでは不十分なのだ」(スタモス氏)
【変更履歴:2019年3月17日午前9時10分 ニュージーランド警察当局の発表に基づき、死者数を50人に修正しました。】
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