「現場主導のRPAはスケールしない」 大企業が抱える悩み、突破口は専門組織(2/2 ページ)
理由3:デジタル化を前提に業務を見直せる
専門チームによる業務選定のメリットは他にもある。現場型の場合、既に現場で体制が確立されている業務はRPAの対象になりづらく、担当者レベルで「手間がかかっている」と感じる例外的な業務に目が行きがちだ。
安部さんは「実際は多くの人間が携わっている主流業務自体を見直すべきだが、現場から見ると自動化の候補として出てこない」と話す。現時点で現場の体制が確立されているかどうかは関係なく、デジタル化および自動化を前提として業務プロセスそのものを根本的に変える大胆さも必要になるというわけだ。現状のやり方にとらわれず、人間とロボットが協働できる仕組み作りを考えていかなければならない。
「現場から見る課題と、全社で見る課題は異なる。従業員の余力を創出して働き方を変えることをゴールとするなら、全社的に見て効果が出るところから取り組まないといけない」(安部さん)
デジタル改革のこれから
RPAはOCR(光学文字認識)やAI(人工知能)技術などと連携することでさらなる効果を発揮する。RPAはPC上の業務しか自動化できないが、「AI-OCR」を組み合わせればFAXで送られてきた請求書もPDF化することでロボットが処理できるようになる。音声認識で読み取ったデータをPCに取り込んでロボットに処理させるのもいいだろう。安部さんも、こうしたAIのコグニティブ技術はPCの中と外をつなげる橋渡し役として大いに注目しているという。
しかし、技術ありきで考えていては物事は進まない。
「日本企業は、まずAIの技術で何ができるかを細かく調べがちだが、何をしたいかという企画起点の考え方が必要。構想1年などと言わず、すぐやってみること。四半期ごとにPoC(概念実証)をやれば1年間で4発の波が打てる」(安部さん)
現在、さまざまな種類のRPAツールが出ているが、今後はこうした外部ツールと連携できるオープンな仕組みのRPAが残っていくのではと安部さんは予想する。
デジタル改革を進める上で、増え続けるロボットを管理する仕組みも重要だ。「多いところで1000体くらいのロボを抱える会社もあるが、それが当たり前になる時代が来る。人間にとっての人事部門のように、ロボットを管理する部署も今後増えていくだろう」(安部さん)
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