IBMの量子コンピュータハッカソンに1700人が参加 “量子プログラマー”の育成進む

 米IBMはこのほど、5月4日から8日にかけて行った量子コンピュータのハッカソン「IBM Quantum Challenge」の結果を発表した。世界中から1745人が参加し、量子暗号や、量子回路の最適化方法など、量子計算のノウハウを学習したという。

IBMの量子コンピュータ「IBM Q System One」

 参加者の職種は、技術者やソフトウェアエンジニア、データサイエンティスト、物理学者、数学者といった専門家の他にも、学生や教師、弁護士、コンサルタントなど幅広い。参加者たちは、IBMクラウド上の18基の量子コンピュータを使ってIBMから提示された4つの課題を解いた。4つとも正しく解けたのは全体の約3割(574人)だったという。

 IBMは、この4日間で多くの人が量子コンピュータ向けの実践的なコーディングを学んだとしてハッカソンの意義を示す。また、参加者たちが1日当たりに使った量子コンピュータの総使用量は10億回路を超え、同社の量子コンピューティングクラウドにおける記録を塗り替えたとしている。

 量子コンピュータにおける「回路」は動作の基本単位。マシンの量子ビット数などで、構成できる回路の複雑さが決まる。1回路の量子計算は非常に短い時間で終わるが、量子計算の結果は確率的であり、計算過程にエラーも伴うため、同じ回路構成で何度も計算して精度を上げるのが一般的。

量子回路の1例。q0などの横線が1つの量子ビットを示している。楽譜のように、左から右へ操作が進む

 同社は2020年後半に日本とドイツにも量子コンピュータを設置するとしており、量子コンピュータの計算リソースをさらに拡張していく計画だ。

印刷する
SNSでシェア
SpecialPR

この記事の著者

井上輝一
井上輝一

2016年3月からITmediaにジョイン。ITmedia Mobile、PC USER、LifeStyle、ヘルスケアで編集・執筆を兼務。2017年4月からITmedia NEWSでの兼務も開始。2019年4月にNEWS専属となる。スマートフォンやPCといったガジェット系の他、理系(神経科学)のバックグラウンドを生かして科学系のネタや、量子コンピュータ、ブロックチェーン、AIなど多岐に渡って取材している。

関連記事

こんなメディアも見られています

ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。

メールマガジンを配信中
メールマガジンを配信中

国内外の業界動向、AIやクラウドなどの最新技術、キャリア情報など今知りたい情報をまとめてお届けします。

いますぐご登録

本日の新着記事

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

ITmedia NEWS SNS

X @itmedia_newsをフォロー

インフォメーション

ITmediaNEWSをフォロー

あなたにおすすめの記事PR