東大発AIベンチャーで約33億円着服 元役員を逮捕 「FX取引に使った」
医療画像の診断AIなどを手掛けるエルピクセル(東京都千代田区)は6月10日、同社の元取締役が業務上横領の容疑で警視庁に逮捕されたと発表した。被害額は約33億5000万円で、容疑者は主にFX取引に使ったとしている。
エルピクセルは医療やライフサイエンス分野の画像解析を強みとする東京大学発のAIベンチャー。オリンパス、富士フイルム、CYBERDYNE、SBIインベストメント、ジャフコなどから合わせて約37億円の資金調達をしていた。
元取締役の志村宏明容疑者は、2017年4月から19年1月まで、会社資金を自身の預金口座へ複数回にわたって送金。送金した総額は約33億5000万円で、うち約5億9500万円は発覚前に会社口座へ返還していた。志村容疑者は横領行為の発覚を免れるため、会社の預金通帳写しを改ざんしていたという。
同社の調査の結果、志村容疑者から任意提出を受けた個人の通帳の写しやFX取引の取引残高報告書から、着服された会社資金は主にFX取引に消費されたことが分かった。
再発防止に向けて、同社は内部監査室の設置や常勤監査役の1人増員などを行った。また、それまでの調達額とは別にCYBERDYNEなどから約10億円の資金調達を新たに実施。既存事業を継続していく考えを示した。
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