Innovative Tech
家庭用プリンタで印刷、貼れる生体センサー「PhysioSkin」 ドイツの研究チームが開発
Innovative Tech:
このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
ドイツのザールラント大学とライプニッツ新材料研究所(Leibniz Institute for New Materials)による研究チームが開発した「PhysioSkin」は、家庭用インクジェットプリンタを用いて皮膚に貼れる生体センサーを作成する手法だ。プリンタで印刷した電子回路を人間の皮膚上に貼り付けて、電気的な生体信号を捉える。
まず、プリンタで電子回路を印刷するため、インクカートリッジをカスタマイズする。空のインクカートリッジに、特殊なインク「導電性銀ナノ粒子インク」と「導電性ポリマーインク」、「絶縁インク」 をそれぞれ注入し、プリンタ内部にセットする。後はデザインした回路図を普通に印刷するだけで電子回路を作成できる。
印刷用紙としては、皮膚上に転写する市販のタトゥーデカール紙を使う。仕上がった電子回路は、皮膚だけでなく、Tシャツなどの衣類にも転写できる。厚さ約1µmと非常に薄いため、装着しても邪魔になりにくいのも特徴だ。
皮膚に貼り付けた電子回路は、装着者の生体信号を捕捉する。筋肉活動を「sEMG」(表面筋電図)、汗腺の状態を「EDA」(皮膚電気活動)、心臓の電気的活動を「ECG」(心電図)で捉える。貼付場所は、信号を捕捉しやすい手首の内側や胸などが望ましいだろう。
このように捕捉した生体情報は、さまざまな用途に活用できる。例えば、手首の内側に転写してビデオチャット相手に心拍数を伝える、Tシャツの肩に転写して腕の動きによる筋肉活動を捉える、VR体験中の覚醒を検出するなどの利用シーンが想定される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
4
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
5
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
6
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR