折り畳みディスプレイは弱点克服 次は「三つ折り」「ローラブル」?──モバイル端末の2021年を占う(1/3 ページ)
2020年のモバイル業界最大のトレンドといえば「5G」で異論はないだろう。いよいよ日本国内で4キャリアがサービスを開始し、まずはスマホで使える次世代高速通信として、その第一歩を踏み出した。
一方で、19年からの新しいトレンド「フォルダブル(折り畳み)ディスプレイ」も着実な進化を遂げた。ディスプレイを折り畳めるようにすることで、スマホやパソコンなどに新しいスタイルを提案するトレンドが続いている。
20年には初期のフォルダブル技術の弱点を補いつつ、さまざまな画面サイズや利用スタイルを採用したモバイル機器が複数登場した。「フォルダブル」の2020年を振り返りながら、モバイル端末を変えうる次の技術を占う。
ディスプレイガラスで弱点克服「Galaxy Z Fold 2 5G」
スマホが世界中に普及していく中で、そのトレンドは高価格なプレミアムモデルと低価格帯の普及型モデルへと二分しつつある。コモディティ化が進んだことから、低価格帯のスマホは差別化が難しくなっている現状もある。
その中でフォルダブルディスプレイは、5Gと並んで次世代のスマホを象徴する技術となった。5Gの高速通信を生かした動画鑑賞やマルチタスク処理といった用途は、大画面を持ち運びしやすいフォルダブルディスプレイと相性が良いからだ。
フォルダブルで先行する韓国Samsung Electronics(以下、サムスン)は、20年に「Galaxy Z Fold 2」と「Galaxy Z Flip」という2つのスタイルのフォルダブルスマホを投入した。
前者のGalaxy Z Fold 2は、フォルダブルディスプレイを内側に装備し「開くと大画面タブレット、閉じて縦長スマホ」という2通りの使い方ができるAndroidデバイスだ。日本ではKDDIが11月に発売した。価格は25万9980円(税込、以下同)。日本においては、Galaxy Z Fold2が初の5G対応のフォルダブルスマホとなっている。
折り畳みディスプレイの機能性については、前世代の「Galaxy Z Fold」も十分に実用的なレベルにあったため、Z Fold 2は基本的にはマイナーチェンジといえる。ただし、細かい部分の堅実な改善により、価格相応の高級感と実用性が得られるようになった。
折り畳みディスプレイの保護素材は、ハイエンドスマホで一般的なカバーガラスへと変更された。初代モデルでは強化プラスチックを使っていたため、「Galaxy S10」シリーズなど一般的なスマホと比べると画面が写り込みしやすく、小さな傷が付きやすいといった難点があった。
Z Fold2では厚さ0.5mmの超薄型ガラスを使用して、見栄えと質感を改善している。ディスプレイ自体も120Hz駆動に対応し、スクロール操作が滑らかになった。
閉じた状態で使う縦長ディスプレイは、初代モデルよりも大型化し、画面一杯を使う狭額縁仕様に。ソニー「Xperia 5」のような縦長のスマートフォンと同様に、SNSのタイムライン表示などに適した形状だ。
「Mate Xs」投入も制裁に阻まれるファーウェイ
中国のスマホ大手Huawei(以下、ファーウェイ)は、サムスンと並んでフォルダブルスマホをいち早く投入したメーカーの1社だ。20年3月には改良版の「Mate Xs」を発表した。
Mate Xsは外開き型のフォルダブルスマホで、閉じた状態ではディスプレイの半分だけの表示で、縦長スマホのような操作感になる。閉じた姿はディスプレイにたわみがなく端正なスタイルを維持しており、Galaxy Z Fold2よりスタイリッシュにさえ見える。
ただし、20年はファーウェイにとって逆風が吹き荒れる年となった。5G基地局の市場で同社の攻勢を警戒した米国が、次々と同社に対する制裁を実施。最先端のスマホのチップセットを設計できる半導体メーカーとの取引や、米GoogleのAndroid向けサービスの搭載が禁じられた。これにより、スマホの新機種開発の継続を危ぶまれるような状態となっている。
この他、外開き型のフォルダブルスマホでは、中国Royoleが新モデル「FlexPai2 5G」を中国で発売。同社はフレキシブルディスプレイの技術を有するスタートアップ企業で、19年にはサムスンに先行し「世界初のフォルダブルスマホ」を投入したメーカーだ。FlexPai2 5GではZTEとの技術提携により完成度を高めている。
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