独自チップと新カメラユニットで写真体験はどう変わったか 「Pixel 6 Pro」レビュー(1/3 ページ)
Googleが10月20日に発表した「Pixel 6」「Pixel 6 Pro」。ここ最近のPixelシリーズは似た性能/デザインのモデルが長く続いたが、外観だけでなく、カメラを含めた内部まで刷新されており、数世代ぶりに意欲的なモデルに仕上がっている。
中でも特徴的なのが、オリジナルSoCの「Google Tensor」とカメラシステムだろう。Google Tensorは同社が独自に開発したSoCで、CPUには「Cortex-X1」が2基、「Cortex-A76」が2基、「Cortex-A55」が4基のクアッドコア構成を採用。GPUには「Mali-G76」を20コア搭載する。これに、同社が開発した機械学習を処理するTPU(Tensor Processing Unit)、画像処理用の独自ISP(Image Signal Processor)ユニットなどが加わる。プロセスルールは最新世代の5nmだ。
CPU/GPUに自社設計のコアを使うAppleと異なり、両者とも性能と互換性に定評のあるArm設計のコアを使いつつ、Googleが必要とする機能を足していったものがGoogle Tensorの正体だ。Pixel 6の発表前には他社製SoCをベースにカスタマイズしたチップとのうわさが流れたこともあったが、同社の担当者はきっぱりと自社設計であると否定している。
カメラシステムも注目ポイントだ。Pixelは長年同じカメラユニットを使っていることが知られており、「Pixel 5」までは「Pixel 3」から使い続けてきたソニーの1220万画素1/2.55インチCMOSセンサーを広角カメラに搭載してきた。Pixel 6/6 Proでは、広角カメラを5000万画素の1/1.31インチセンサーに置き換えた他、超広角カメラも1200万画素のものに刷新された。6 ProにはPixelシリーズでは初のペリスコープ式望遠レンズも内蔵している。4倍の光学ズーム(F3.5)が可能で、4800万画素の1/2インチCMOSセンサーが光を捉える。
スペック上では、5000万画素とうたわれている広角カメラだが、出力画像は1250万画素に縮小されている。というのも、このCMOSセンサーには4つのピクセルを1つに統合するビニング技術が搭載されており、それを有効にすると1250万画素でピクセルピッチ(画素間の幅)が2.4μmのCMOSセンサーとして機能する。このピッチ幅は2000万画素の1インチセンサーとほぼ同じ。解像度は落ちるものの、より光を多く捉えことができるため、ダイナミックレンジや高感度性能にメリットがあるとGoogleは説明する。望遠カメラも同様の処理とみられ、5000万画素/4800万画素での撮影には非対応だ。
Google Tensorはどこまでカメラ性能を引き上げたのか
Google TensorのCPU処理能力自体は一昔のハイエンドSoCレベル(Geekbench 5で計測したところ、おおよそSnapdragon 855+付近)ではあるが、同社が開発した機械学習処理プロセッサのTPUや、画像処理をつかさどるISP、セキュリティコア「Titan M2」が搭載されている。TPUのバージョンなど細かい仕様は不明だが、チップ名称に「Tensor」(テンサー、テンソル:多次元の配列)というワードが入っている辺りにも、Googleが独自開発までしてSoCを用意したのは、TPUを自社デバイスに載せるためだと考えられる。これで、複雑な機械学習をクラウドを使わずにデバイス内かつ低消費電力で処理できるようになる。
Pixel 6シリーズで初搭載となった、多種多様な人種の肌の色を考慮してホワイトバランスや色調をコントロールする「リアルトーン」、クルマなど動く被写体を止めつつ背景だけ流れるような“流し撮り”や手持ちで長時間露光撮影ができる「モーションモード」などはGoogle Tensorのパフォーマンスにより実現している。Pixel 5以前のモデルには今後も搭載予定はないという。また、手ブレ補正、自動露出、オートフォーカス、オートホワイトバランスなどもGoogle Tensorのパワーで底上げされている。
つまり、5000万画素の1/1.31インチセンサーを1250万画素センサーとしてぜいたくに使って物理特性を改善しつつ、Google Tensorでより高度な画像処理を実現するという両方からのアプローチを採用したのがPixel 6シリーズといえる。
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