匠の技をデジタルで再現する新しい「日本のものづくり」 日産の最新インテリジェント工場がすごいことになっていた(1/8 ページ)
連載「日産GT-Rとのシン・生活」を本誌で執筆中のテクノロジージャーナリスト西川善司氏が、AI、ロボットを投入した日産の最新工場を取材した。
日産自動車の栃木工場といえば、GT-R、フェアレディZ、スカイラインなどを生産している工場としても有名だ。東京ディズニーランド6個分というその広い敷地で年内に新しい工場が稼働する。
この新工場の最大の特徴は、製造ラインの要所要所に、最新のIT技術とロボット技術を組み合わせた新開発設備が導入されているところにあり、その名も「Nissan Intelligent Factory」(NIF)と命名されている。
NIF構想は、2019年に発表されているが、ついに完成し実稼働するということで、2021年10月にメディア向けに公開された。本稿では、取材から見えてきた注目ポイントを紹介したい。
Nissan Intelligent Factoryとは?
Nissan Intelligent Factoryとは何ぞや、という部分から軽く紹介しておこう。
日産は「ニッサン・グリーン・プログラム」と呼ばれるプロジェクトも全社をあげて推進中である。これは「2050年までのカーボンニュートラル実現」を目指すもので、その一環として「自動車の製造プロセスにおいてもCO2削減していこう」とする取り組みがある。今回、公開されたNIFは、その一連の試みに関する成果物の1つということになる。
では、その「自動車製造工場におけるCO2削減」とはいったいどういうものなのか、というところに関心が行くわけだが、日産は、そのロードマップを示している。
現在は、工場で利用しているガス、燃料、電力といった利用エネルギーの大部分を外部のエネルギー供給企業から買って使っているが、このエネルギーを2030年以降から2050年にかけて段階的に、工場自身での自然エネルギー発電の割合を増やしたり、再生可能エネルギーに移行させる計画を進めているという。
ただし、今回のNIF公開においては、このあたりの実際の設備の公開はなし。
日産は、このNIFのコンセプトにおいては、そうした「ゼロエミッション化生産システムの構築」といった目標以外に、「人とロボットを共生させた製造システム」を掲げており、今回、見学できたのはどちらかといえばこちらのテーマに則した設備になる。
日産は「自動車の製造効率を高めることができれば、エネルギー利用の効率化が進められ、結果的にはCO2削減へとつながる」と考えており、その「製造効率の向上」に当たってはIT技術、ロボット技術、人工知能技術を応用するのが効果的と判断し、新工場建造ではそうした技術の積極活用に取り組んだとしている。
なお、このNIFはまず日産の新型電気自動車(EV)である「アリア」の製造工場として運用される予定で、最終的には多様な車種の製造にも対応・拡大していく予定だ。いずれは海外各地の製造拠点に対してもNIFのコンセプトを波及させていく計画もあると述べている。
では実際に今回見学できた設備を中心に、解説していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
4
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
5
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
6
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR