「自由な市民社会が脅かされる」――鉄道の顔識別システムに日本弁護士連合会が反対声明
日本弁護士連合会は11月25日、鉄道事業者に対し顔識別システムの利用中止を求める声明を発表した。不特定多数者に対する顔識別システムの利用は、市民のプライバシー権侵害の程度が大きく、法的ルールがないまま利用するべきではないと主張している。
声明は、JR東日本が7月から導入した顔識別システムに向けたもので、指名手配犯や不審人物の顔情報をデータベースに登録して、駅などに設置したカメラから不特定多数の人の顔情報を自動照合し、該当の人物を割り出すことで手荷物検査や必要に応じて警察へ通報するというもの。
読売新聞は9月21日、重大犯罪を犯し、服役した後の出所者や仮出所者も駅構内で検知していると報道していたが、22日の各社の続報によれば出所者や仮出所者の監視は中止。現在は、指名手配犯や不審人物の検知を続けているという。
同連合はこの取り組みに対して、市民のプライバシー権侵害の程度が大きく、法的ルールがないままなされるべきではないと指摘。指名手配犯や不審人物の発見装置としての利用は、実質、警察が法令上の根拠や裁判所の令状もなく、顔識別システムを利用しているのと同じで、自由な市民社会が脅かされると主張する。
日弁連は、EUや米国などは公共の場所での顔識別システムの利用を禁止にしたり、法規制を進めたりしている点を上げ、日本でも厳格な法律を定めた上で顔識別システムを利用すべきと、鉄道事業者たちに利用中止を訴えている。
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