DAZN大幅値上げの背景 狙いは「会員数安定」路線へのシフトチェンジか(1/3 ページ)
会員制のスポーツ専門映像配信サービス「DAZN」が大幅な値上げを行った。
Jリーグの中継を独占している他、プロ野球からF1まで、多くのスポーツを中継、スポーツファンの依存度が高いサービスだけに、その影響も大きい。
一方で、月額ではなく「年額」支払いにすると割引率が大きくなったり、KDDIが通信費とセットで割安になる「使い放題MAX5G/4G DAZNパック」を提供していたりと、「賢く立ち回ると値段を下げられる」要素が散見されたりもする。
これはどういう戦略に基づくものなのか、分析してみよう。
5年間で急成長の一方、世界中で一気に大幅値上げ
DAZNは、2016年にサービスを開始した映像配信サービスだ。ご存じのようにスポーツに特化しており、本社は英・ロンドンにある。
当初はB2Bも含めた事業を手掛ける「パフォーム・グループ」の1サービスだったが、パフォーム・グループが2019年に構造改革、B2B向けのスポーツメディア事業を米・シカゴのスタッツ社に売却して「スタッツ・パフォーム」と、DAZNを軸にした「DAZNグループ」に分かれた。以後日本でも、DAZN Japanがサービスを運営している。
同社はサービス開始直後から、多数の投資を行い、スポーツのジャンルを問わず、配信権の獲得に努めてきた。特に大きいのは、サービス開始直後の2016年7月に、Jリーグとの間で、2017年度から10年間に渡る放映権契約を締結したことだろう。契約金が約2100億円と巨額であることも注目された。
結果的に、2016年からの5年あまりで配信コンテンツ数は、グローバルで8.5倍、日本でも8倍に増えたという。
一方で、DAZNは「コストをかけすぎて苦しんでいるのでは」という指摘が以前からあった。
「配信コンテンツが増えている」とする一方、UEFAチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグの配信権を手放し、2020/21シーズン途中で配信を打ち切っている。今後同様のことが起きる可能性も否定はできない。
そんな中で、DAZNは値上げを行う。月額料金は2月22日以降、1925円から3000円へと、1000円以上の値上げになる。値上げするのは日本だけではなく、米国は9.99ドルから19.99ドルへ、イタリアでも9.99ユーロから29.99ユーロへと、全世界的に「大幅値上げ」を行っている格好だ。
DAZN側は「さらなる成長のためにはこのタイミングでの値上げが必要だった」とコメントしている。
ただ、DAZNは2019年の組織変更以降、非上場企業であるので業績などの細かな数字を公開していない。結果として、全世界での値上げが「投資回収に入った」「経営体制に課題があるのでは」という懸念を招く結果にもなっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
5
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
6
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
7
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
8
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
9
IPO目論見書に「AIは人類の存亡リスク」「コードの9割はClaude製」 Anthropicが示した規格外の見立て
-
10
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR