ソニーが賭ける「メタバース」と「モビリティ」 勝算はあるか?(2/3 ページ)
メタバースへの入り口となる事業は「ゲーム」
一方で、多少意外さもあったのが「メタバース」への期待をストレートに語ったことだ。メタバース領域は定義があやふやで、現状の注目もバズワード的な部分がある。
実際吉田社長自身、「メタバースの事業モデルをどうするかは大きな課題」ともいう。
ただ、メタバースへの入り口となる事業は明確。それがゲームだ。
「エンターテインメントの体験はネットワークを通じ、よりライブ的に進化していきます。ライブ的なネットワーク空間では、ゲームや映画、音楽といったジャンルが混じり合うようになり、それぞれがつながります。ゲームはすでにアーティストの表現の場となっていますが、メタバースはコンテンツが交差するライブネットワーク空間になっていくでしょう」
吉田社長のビジョンはシンプルだ。リアルタイムCGと、それを制作する上で重要となるAIなどのテクノロジーは進化しており、結果的にそれを支えるのはゲームで開発されたノウハウである。
メタバースのビジネスモデルには幅広い可能性があるが、ソニーが見ているのはまず「ゲーム」であり、そこから広がる「ライブエンターテインメント」だ。それらはメタバースを構成する一部でしかないが、すでに収益構造が見えており、強固なファン基盤を持つ分野でもある。
音楽・映画の中でも3Dアセットを作ることは増えている。アーティストとしても、オンラインライブなどの新しいジャンルへ挑戦したい人々も多く、そこで3Dアセットを作る必要は増えている。
ならば、そうしたものをどこでどう生かすのか? それは結局、ゲームをベースとしたメタバースによるライブサービス、ということになるわけだ。
ソニーはゲームエンジンである「Unreal Engine」の開発元で、ネットゲーム「Fortnite」の運営元でもあるEpic Gamesに、2020年から多額の出資を続けている。2022年の4月には10億ドル投資、累計で14億5000万ドルを同社に注ぎ込んで、Epic株の約4.9%を保有している。Fortniteの中でライブをすることだけでなく、結局、3Dアセット制作やその活用にゲームエンジンを使うことを考えれば、Epic Gamesとの関係強化は望ましい方向性だ。その投資を活用する先としても、メタバースを使ったライブエンターテインメントというのは分かりやすい。
ただ、その具体例はまだ小粒。ここからどのように、どこをパートナーとしてビジネスを加速するかが重要な課題である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
7
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
8
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
9
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
10
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR