ずっと座っている人ほど椅子には“動いて”ほしい Razerの最新ゲーミングチェア「Iskur V2 NewGen」を試す(1/3 ページ)

 PCに向かっている時間が長くなるほど、同じ姿勢のままでいることは難しくなります。少し前へ身を乗り出したり、背もたれに体を預けたり、足を組み替えたり。人の体はずっと動いているのに、椅子のほうは固定されたまま……そんな違和感を覚える人も多いはずです。

 今回紹介するのは、ゲーミングデバイスメーカーのRazerが発売した「Iskur V2 NewGen」。姿勢の変化を前提に設計されたゲーミングチェアの上位モデルです。その中でも今回レビューするライトグレーは、ブラック系のゲーム環境にも、白やグレーを基調にした書斎、リビング寄りのワークスペースにも合わせやすい色といえます。

ヘッドクッションまで装着した「Iskur V2 NewGen」ライトグレーの完成状態

 このイスの自由度の高さは、数字にするとより分かりやすくなります。調整項目は、座面高、リクライニング、シートチルト、4方向へ動かせるアームレスト、腰の支えを調整する2つの機構を合わせて9項目。自分のポジションに無理なく追い込めることこそ、このチェアの価値でしょう。

動きについてくる背もたれ

 Iskur V2 NewGenの中心にあるのが、Razerが「HyperFlex」と呼ぶランバーサポートです。背もたれの腰部分に組み込まれたこの機構は、360度スイーベル設計となっており、腰を支える部分の張り出し具合と高さを調整できます。体が前後左右に動くことを前提に、背中のカーブに沿わせる発想です。

 座る姿勢は、ゲーム中でも仕事中でも意外なほど変わります。キーボードに近づくとき、画面を見上げるとき、少し休憩して背もたれに身を預けるとき。そのたびに腰当てを手で直すのではなく、チェア側が動きについてくることが、このモデルの設計上のポイントになります。

 見た目には、背中の中央部が少し動くだけの機構に見えます。しかし、私自身、椅子に座っているときによく体を左右へ動かすので、背もたれへ身を預けた状態でその動きをすると、背中側のサポートが自分についてくる感覚を強く実感しました。腰を決まった位置で押さえつけるのではなく、姿勢の移動に合わせて支えが追従します。背中だけがバランスボールの上にあるような、ゆるやかに支えられる心地よさです。

 これは筆者にとって、椅子では初めての体験でした。HyperFlexという名前だけでは伝わりにくい機構ですが、背中のサポートが左右の動きに追従することこそ、このチェアのデザインの主役だと感じます。座って初めて分かる違いです。

背もたれ側面にある、腰の支えを調整するダイヤル

 ゲーミングチェアを長く使っていると、レザー調の表面に熱がこもりやすいことが気になることがあります。メッシュなら風は通りますが、体を預けたときの感触や見た目は別物です。Iskur V2 NewGenは、ここでメッシュへ振り切るのではなく、冷たく感じることをうたう第2世代EPUレザー(合皮)「CoolTouch」と、通気孔を設けた2層の低温硬化フォームを組み合わせています。つまり、見た目はレザーチェアのまま、熱がこもりにくいことと、座り続けたときの圧力を分散することを、素材とクッションの両方で狙った設計です。

座面中央のパターンと、張り地の切り替え

 Iskur V2 NewGenの座面はサイドを含めて幅530mm、シートパン(座面底面の成形品)の幅は400mm。背もたれの幅は541mmと広めです。これは座る人を1つの姿勢に閉じ込めないための余白だと捉えた方が分かりやすいでしょう。腰の可動式サポートと広いシートは、同じ目的に向かう別々の設計です。前者が背中の動きを受け止め、後者が座り方の変化を許容します。

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この記事の著者

いしたにまさき
いしたにまさき

ブロガー、ライター、アドバイザー、プロダクトデザイナー。2011年アルファブロガー・アワード受賞。ひらくPCバッグシリーズのデザインにて、2016年グッドデザイン賞受賞。

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