インボイス開始後、フリーランスはどう納税するのが正解か? 「2割特例」など3つの選択肢
10月にスタートするインボイス制度はフリーランスにとって悩ましい制度だ。これまで免税事業者であれば消費税について気にする必要はなかったが、課税事業者となると消費税周りの事務手続きが必要になる。しかも令和5年度税制改正大綱では、フリーランスなど小規模事業者の負担を緩和する措置として、通称「2割特例」が設けられた。
選択肢としては、まず免税事業者のままでいる、課税事業者となり適格事業者となるという2つがある。免税事業者のままで通す場合、取引先の企業が消費税を負担することになるため、「仕事が減るリスクがある」とfreeeでプロダクトマネージャーを務める小泉美香氏は言う。
公正取引委員会は、インボイス制度を契機として取引条件を見直す場合、優越的地位の濫用(らんよう)にあたらないよう注意が必要だとしている。これは「免税事業者に対する値下げ交渉はただちにNGではないが、インボイスを契機としての値下げや取引の停止は、優越的地位の濫用にあたる」(小泉氏)というものだ。それでも、代わりのいない独自のスキルを持っている人を除けば、仕事が減るリスクはついてまわる。
課税事業者選択したフリーランスの3つの選択肢
ではインボイス制度を機に、課税事業者となり適格事業者番号を取得した場合はどうだろうか。実は、この場合にも3つの選択肢がある。
1つ目は、預かった消費税から仕入れのために支払った消費税を引いて(控除)、残った額を納税する一般課税だ。ほとんどの企業が行っている、通常の消費税処理となる。
2つ目は、支払った消費税を「みなし」で計算できる簡易課税だ。2年前の課税売上が5000万円以下といった条件があるが、支払った消費税を計算する必要がなく、業種ごとに決められた「みなし仕入れ率」から税額を計算できる。
例えばフリーランスに多いサービス業の場合、売上として預かった消費税の半額の消費税支払いがあったとみなして計算できる。一般課税に比べ、仕入れなど経費が少なければ納税額が少なくなるだけでなく、事務処理も簡単だ。
そして3つ目が、今回設けられた「2割特例」だ。これは「免税事業者から適格事業者になった人限定だが、預かり消費税の2割が納税額となるもの」(小泉氏)だ。つまり8割を控除できることになる。ただし2026年9月30日までの3年間限定だ。
ややこしいことに、この3つは「これが最もお得」という正解がない。支払った経費の額が多く、控除できる消費税額が大きければ一般課税が最もお得だ。例えば、売上よりも支払った経費のほうが多ければ、差額の消費税が戻ってくる(還付)こともある。
こうしたフリーランスをサポートするため、freeeが2月7日に提供するのが「消費税 納税額シミュレーター」だ。簡易課税や2割特例にも対応しており、4つの簡単な質問に答えるだけで、納税額のシミュレーションができるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
3
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
4
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
7
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
8
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
-
9
有識者はGoogleやX、Meta、ドワンゴを名指しで批判……総務省、偽広告や誹謗中傷に発信・拡散前の対策求める
-
10
「痺れるほどにミスを繰り返す」Gemini 3.6 Flashは変わった? 公開から1週間、当初のおバカ回答を今検証する
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR