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数学の未解決問題「アインシュタイン問題」が解決? 1つの図形だけで敷き詰めても“周期性が生まれない”

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このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。Twitter: @shiropen2

 英国の数学者らと、カナダのウォータールー大学と米アーカンソー大学に所属する研究者らが発表した論文「An aperiodic monotile」(プレプリント)は、繰り返しパターンを作らず、2次元の表面を無限に敷き詰めることができる単一のタイル形状を発見した研究報告である。

今回発見された単一のタイルの集合

 このような図形を非周期的なタイルと呼び、2次元の平面にタイルを隙間なく敷き詰めるが決して周期的ではない形状を指す。

 非周期的なタイルの最初の集合は、1966年に発見された2万種類以上のタイルの組み合わせだった。その後、タイルの種類を減らす方向に研究が進んだ結果、最も有名な非周期的なタイルとなったのが、ノーベル物理学賞を受賞した数理物理学者ロジャー・ペンローズ氏が1970年代に発見した、平面を2種類のタイルで埋め尽くした「ペンローズ・タイル」である。

「ペンローズ・タイル」(Wikipediaから引用

 当然、1枚の図形で非周期的なタイルの集合ができないかと探究が進められていた。ちなみに、この未解決問題は別名「Einstein」(読み:アインシュタイン、ドイツ語のタイル1枚を意味するein steinをもじった名前)と呼ばれている。

 そして今回、1種類のみで非周期的なタイルの集合を作り出せる図形を発見した。13個の辺を持つ多角形である、この単一のタイル形状を研究者らは「Hat」と名付けた。研究チームは、コンピュータを用いた方法を含め、2つの異なる方法でHatが非周期的なタイルであることを証明したという。

Hatが、決して繰り返されることのないパターンを無限に生み出す

 プロジェクトページも公開されており、Webブラウザ上でHatを試せるアプリケーションや、証明で用いたコードが掲載されている。

Source and Image Credits: David Smith, Joseph Samuel Myers, Craig S. Kaplan, and Chaim Goodman-Strauss. An aperiodic monotile

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2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説している。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。

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山下裕毅
山下裕毅

2014年から幅広い分野の研究論文をピックアップして解説しているメディア「Seamless」(シームレス)を主宰している。

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