Innovative Tech
米Bloomberg、金融特化の大規模言語モデル「BloombergGPT」発表 「Appleの時価総額を教えて」などに回答
Innovative Tech:
このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。Twitter: @shiropen2
米Bloombergと米ジョンズ・ホプキンズ大学に所属する研究者らが発表した論文「BloombergGPT: A Large Language Model for Finance」は、幅広い金融データで学習させた500億のパラメータの大規模言語モデル(LLM)を提案した研究発表である。
このモデルで、例えば「Appleの直近の価格と時価総額を教えてください」と入力すると簡潔に教えてくれるなど金融データの情報を容易に取得したり、金融情報の疑問を聞いたりなど、専門性に特化した多様な使い方ができる。
金融データ会社である米Bloombergのデータアナリストは、40年以上にわたって金融の文書を収集・管理してきた。チームは、この膨大な金融データのアーカイブによる英語の金融文書からなる3630億トークンデータセットを作成した。
このデータに3450億トークンの一般的な公開データセットを加え、7000億トークンを超える大規模な学習用コーパスを作成した。この学習コーパスの一部を用い、500億パラメータのデコーダーのみの言語モデルをトレーニングした。
BloombergGPTは、汎用的なLLMやドメインに特化したデータのみを使用した小規模なLLMを構築するのではなく、金融データと汎用データセットの両方を組み合わせた混合アプローチを採用する。
得られたモデルは、既存の金融に特化した自然言語処理(NLP)ベンチマーク、Bloomberg社内のベンチマーク群、一般的なベンチマークの幅広いカテゴリーの汎用NLPタスクで検証した。
その結果、混合学習アプローチは、一般的なNLPベンチマークで同等かそれ以上でありながら、ドメイン内の金融タスクで既存のモデルを大幅に上回るモデルを達成した。
BloombergGPTは、ブルームバーグの顧客により良いサービスを提供する。例えば、金融ニュースや情報を解析するための質疑に細かく教えてくれるという。今後もBloombergGPTを用いた金融アプリケーションの開発を続け、モデルの利点をさらに追求していきたいとしている。
Source and Image Credits: Shijie Wu,Ozan Irsoy,Steven Lu,Vadim Dabravolski,Mark Dredze,Sebastian Gehrmann,Prabhanjan Kambadur,David Rosenberg,Gideon Mann. “BloombergGPT: A Large Language Model for Finance.”(2023).
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Innovative Tech
2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説している。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
5
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
6
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
7
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
8
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
9
「自分の個人情報が漏えいした……どうすれば?」 IPAが対処法公開
-
10
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR