楽天カードのクレカ積立 改悪から一転、還元率アップの裏にある狙い(3/4 ページ)
上位カードほど大きい取扱高
では楽天カードが上位ランクのカードを促進するのはなぜか。大きな理由の一つは取扱高のアップだ。
楽天カードは、中期目標として、カード発行枚数3000万枚、ショッピング取扱高30兆円、取扱高シェア30%を「トリプル3」として掲げている。このうちカード発行枚数は2863万枚(3月末)と順調だが、ショッピング取扱高は直近12カ月の合計で19.1兆円と、目標まであと10兆円が必要な状況だ。
「上位カードを打ち出すことが、トリプル3達成のための成長に必要だ」と岩月氏。
具体的な数字は明かさないもの、上位ランクのカードのほうが利用の平均単価が高い。一人が複数枚のカードを保有するのが普通となった昨今、年会費の発生する上位カードは優先して使われることが多く、それが利用額の増加に貢献するのだという。
還元率アップによる需要喚起は、楽天証券側でも待望していたはずだ。クレカ積み立て還元率を引き下げた途端、これまで順調に増加していた投信積立設定金額は減少に転じた。22年12月末時点の設定金額は1003億円となり、積立件数も639件と前四半期に比べわずかに減少したからだ。
還元率引き下げを行う楽天に対し、競合他社は同時期に還元率を引き上げている。特にSBI証券と三井住友カードは、22年12月に上位ランクの「三井住友カード プラチナプリファード」において、還元率を5%にアップさせた。
プラチナプリファードは年会費が3万3000円の高ランクカードだが、クレカ積立を最大額行うと還元額は3万円相当に達する。三井住友カードがカード新規保有者向けに行ったアンケートによると、回答者の約半数が申し込みを後押しした施策として、SBI証券でのクレカ積立を挙げた。
さらに同アンケートでは、プラチナプリファード申し込み前に使っていたメインカードとして、1位は三井住友カード ゴールドだが、2位に楽天カード 一般が入っている。クレカ積立のポイント還元が、上位ランクカードの申込みを誘引するだけでなく、メインカードの座を奪うことまで、競合カードが証明してみせた形だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
5
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
6
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
7
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
8
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
9
「自分の個人情報が漏えいした……どうすれば?」 IPAが対処法公開
-
10
IPO目論見書に「AIは人類の存亡リスク」「コードの9割はClaude製」 Anthropicが示した規格外の見立て
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR