Innovative Tech
国歌のテンポが遅いと平和……でも自殺率が高く幸福度が低い? バングラデシュの研究者らが調査
Innovative Tech:
このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
X: @shiropen2
バングラデシュのDept. of CSE BRAC Universityなどに所属する研究者らが発表した論文「Analyzing Musical Characteristics of National Anthems in Relation to Global Indices」は、国歌の音楽的特徴が国民の心理や行動パターンに与える影響について調査したものだ。
国歌は、国民が幼少期から最も頻繁に聴く曲であり、人々の心理的特性を永続的に形作る可能性がある。そこで、研究者らは169カ国の国歌のMIDIデータを収集し「Music21」と「pretty-midi」というPythonライブラリを用いて、メロディの輪郭やピッチ、ビート、テンポ、音符の強さ、音符の長さ、休符の長さ、拍子の変化などの音楽的特徴を抽出した。
一方、世界人口レビューのWebサイトから、世界平和度指数や世界自殺率指数、世界犯罪指数、世界幸福度指数、世界人間開発指数のデータを収集。国歌のクラスタと各指標のクラスタとの相関分析を行った。
分析の結果、国歌の音楽的特徴と自殺率、平和度、幸福度との間に強い相関が見られた。特にテンポが速い国家は、平和度は低いが自殺率も低く幸福度が高い結果を示した。
具体的には、低いピッチや高いテンポ、強いビート、短い音符の長さ、長い休符の長さなどの特徴が、自殺率が低い国と関連していた。高いピッチや非常に高いテンポ、非常に強いビート、短い音符の長さ、長い休符の長さなどの特徴が、幸福度が高い国と関連していた。
やや低いピッチや強いビート、低いテンポ、短い音符の長さ、長い休符の長さ、少ない拍子の変化などの特徴が、平和度が高い国と関連していた。一方、犯罪率や人間開発指数との関連性は小さかった。
Source and Image Credits: Hasan, S. M., et al. “Analyzing Musical Characteristics of National Anthems in Relation to Global Indices.” arXiv preprint arXiv:2404.03606(2024).
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Innovative Tech
2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説している。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
2
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
3
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
4
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
5
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
6
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
7
藤井風のリサイタル、公式サイトがインターネット老人会すぎると話題 公民館のチラシみたいだけど東京ドーム開催
-
8
松本デジタル相、24.6万件漏えい可能性について説明 「既知の脆弱性を対応前に悪用」
-
9
「iPhone Duo」純正ケース話題、「面白いけど高い」……1万4800円と2万4800円
-
10
「ランジェリーパープルじゃない」「買おうと思ってたのに」 iPhone 18 Pro/Pro Maxの色に落胆の声
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR