ちょっと昔のInnovative Tech

「第一子は兄弟姉妹よりもIQが高い」――“出生順位”による知能や性格の違いを分析 ドイツチームが2015年に発表

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このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。通常は新規性の高い科学論文を解説しているが、ここでは番外編として“ちょっと昔”に発表された個性的な科学論文を取り上げる。

X: @shiropen2

 ドイツのライプツィヒ大学などに所属する研究者らが2015年に発表した論文「Examining the effects of birth order on personality」は、出生順位による知能や性格の違いを調査した研究報告である。

「第一子は兄弟姉妹よりもIQが高い」――“出生順位”による知能や性格の違いを分析

 この研究では、アメリカ、イギリス、ドイツの3カ国から合計約2万人のデータを対象に、知能指数に加え、主要な性格特性(外向性、情緒安定性、協調性、誠実性、開放性)について、出生順位による違いを詳しく分析した。

 分析対象は、兄弟姉妹数が4人以下の家族に限定し、双子は除外している。これは、双子が特殊な構成であり、通常の出生順位効果が異なる可能性があるためである。また、5人以上の兄弟がいる家族については、全サンプルの11%未満であり、信頼できる分析が困難なため除外した。

 分析の結果、知能指数については先行研究と同様に、出生順位が後になるほど低下する傾向を確認できた。その差は標準偏差の約10分の1程度である。また「知的である」という自己評価についても、出生順位が後になるほど低下する傾向が見られた。この傾向は、実際の知能テストの結果を考慮に入れても変わらなかった。

兄弟姉妹の数と出生順位に応じた知能指数

 しかし、それ以外の性格特性については、出生順位による有意な違いは見られなかった。また、兄弟姉妹の年齢差が1.5~5年の場合に限定した分析でも、同様の結果となった。

兄弟姉妹の数と出生順位に応じた各種性格や知能を示した図

Source and Image Credits: J.M. Rohrer, B. Egloff, S.C. Schmukle, Examining the effects of birth order on personality, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 112(46) 14224-14229, https://doi.org/10.1073/pnas.1506451112(2015).

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Innovative Tech

2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説している。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。

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この記事の著者

山下裕毅
山下裕毅

2014年から幅広い分野の研究論文をピックアップして解説しているメディア「Seamless」(シームレス)を主宰している。

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