知らないと損!?業界最前線
倒れない大画面テレビ「VIERA」、地震の時だけ床に吸着する吸盤の仕組みを聞いた(3/5 ページ)
常時は吸着していない吸盤で非常時に備える
VIERAの転倒防止スタンドに採用され、一般的な吸盤とは仕組みが異なる吸盤とは、どのようなものなのか。本多氏は次のように続ける。
「VIERAの吸盤は、吸盤の内側を真空にしていませんし、平常時は吸着しているわけでもありません。地震や振動でテレビがグラッグラッと揺れたタイミングで、吸盤と設置面の間の(空気の)体積が広がる構造になっています。吸盤の内側の体積が増すと、吸盤内部の圧力は下がります。吸盤の外側の大気圧は変わりませんから、吸盤の内外の圧力差が生まれて吸着する仕組みなんです」
つまり、1)グラッときてテレビが揺れると、吸盤には上へ引っ張られるような外力がかかる、2)吸盤内はある程度の気密性が保たれていて(=外から空気が入りにくい)、外力がかかった瞬間に吸盤内の気圧が下がり床に吸着する、3)さらに吸盤内の空気の体積がむりやり拡大される形になって吸着力が増す。これによって倒れにくくなる、ということだ。
説明を聞くと、仕組みはとてもシンプル。一般的な吸盤が「常に吸着し続ける」方式なのに対し、VIERAの転倒防止スタンドは「必要なときだけ吸着する」方式になっている。これにより、時間の経過によって吸着力が低下するという、一般的な吸盤が持つ特性や問題も関係なくなる。
感震センサーなどを使っているわけでもないため、テレビに電気が通電しているかどうかは関係ない。テレビをポンッとテレビ台に置くだけで、地震発生と同時に吸着力を発揮してくれるのだ。地震というと停電はつきものなので、電気を使わない仕組みはうれしい。
筆者も2年前の65v型4K有機ELモデル「TH-65MZ2500」で、転倒防止スタンドの効果を確認した。実際に65インチの大画面を持ち上げようとしたが、テレビ台に吸い付いていてビクともしなかった。画面を揺らしてみても、当然、テレビが倒れる気配はなかった。
それでいて、スタンドの後方に配置されているスイッチを「オフ」にすると、直後からテレビ台を動かせるようになる。このスイッチは、別途“空気の通り道”を作るもので、オフにすると揺れても床にくっつかない。仕組みを考えれば当たり前なのだが、スイッチのオン/オフによって、こんなに素早く動かせるようになったりくっついたりすることに驚いた。ちなみにスタンドの前方からも、クリップや棒状のものを使って吸着機能をオン/オフできる。
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