CES 2026
1人のBlackBerryファンが“キーボード付きスマホ”を作るまで――「Clicks Communicator」誕生の背景(2/2 ページ)
元BlackBerryデザイナーの起用
Clicksの共同創業者には、YouTubeで100万人以上のフォロワーを持つMichael Fisher氏(ニックネーム:Mr. Mobile)も名を連ねる。そして特筆すべきは、元BlackBerryのデザイナーであるJoseph Hofer氏を起用したことだ。
Hofer氏は「Bold 9000」「Bold 9900」「Q10」「BlackBerry Passport」といった機種のデザインを手掛けた人物。
「過去に敬意を払いつつ新しい端末を発表するなら、実際にオリジナルのアイコン的デバイスをデザインした人物を呼ぶべきです」とMichaluk氏は語る。Clicks Communicatorは単なる模倣品ではなく、BlackBerryの精神を正当に継承する製品を目指している。
余談だがClicksには他にも「辞めBlackBerry」が複数人在籍しており、PR担当者も10年間BlackBerryのPRを務めていた人物だ。Michaluk氏はClicksのチームを「アベンジャーズのようなドリームチームだ」と評する。
「巨人とは戦わない」 ニッチスマホの生きる道
米Appleや韓国Samsungといった巨大企業とどう競争するのか。この問いに対し、Michaluk氏の答えは明快だ。
「競争する必要はありません」
彼は自動車産業を例に挙げる。「道路を走る車のほとんどはセダンかSUVです。しかし、ピックアップトラック、ミニバン、通勤用の小型車の市場も存在します」
Michaluk氏によれば、スマートフォン黎明期は各社が競い合って面白かったが、やがて市場はつまらなくなったという。「全てが“セダン”になってしまった。世界中の人々がスマートフォンを持つようになった今こそ、特化する時代が来たのです」
では何に特化するのか、そこで掲げるのが「コミュニケーション」という。
Clicks Communicatorの側面には、通知内容によってさまざまな色で光るボタンがある。これがPrompt Key(サイドキー)だ。このボタンを押すことで、音声入力やAI機能、2回のプッシュでボイスレコーダーを即座に起動できる。
「ボタンは『書くこと』の象徴ですが、未来も見据えています」「過去にしがみついているのではなく、コミュニケーションの未来を作っているんです。これほど情熱を持って取り組んでいるチームは他にいないと自負しています」(Michaluk氏)
日本での販売は?
気になるのが日本での展開だが、ClicksのPR担当者によると販売を予定しているという。そもそも日本はClicks Keyboardの反応も良く、大きな市場だと語る。
「日本は私たちにとって非常に大きな市場です。日本人はガジェットやタクタイル(触覚的)な感触、キーボードが大好きですよね。昨年日本でオフ会を開いたら200人も集まって、みんなキーボードが付いた古いスマホを持ってきてくれました。日本の文化が大好きです」(Michaluk氏)
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