Flipper Devices、オープンLinuxデバイス「Flipper One」発表
セキュリティ研究者向けの多機能ガジェット「Flipper Zero」を手掛けるFlipper Devicesは5月21日(現地時間)、新製品「Flipper One」を発表した。
Flipper Devicesはロシア出身のエンジニア、パヴェル・ゾフナー氏が創業したハードウェアメーカーで、現在はドバイに拠点を置く。同社の主力製品Flipper Zeroは、セキュリティ研究者やハードウェア愛好家を中心に人気を集めている。2020年のKickstarterキャンペーンで約480万ドルを調達して製品化し、これまでに約100万台、累計1億5000万ドル超を売り上げた。
Flipper ZeroがNFCや赤外線などの近距離のオフラインプロトコルに特化しているのに対し、Flipper OneはWi-FiやEthernet、5Gなどのネットワーク層を扱うオープンなLinuxプラットフォームとして位置付けられており、両製品に上位・下位の関係はなく、それぞれ異なる用途向けに設計されている。
ハードウェアには、中国Rockchip製の8コアSoC「Rockchip RK3576」と英Raspberry Pi開発の「RP2350」マイクロコントローラを組み合わせたコプロセッサ構成を採用する。
Linuxが動作するRK3576には8GBのRAMとNeural Processing Unit(NPU)を搭載し、ローカルでのLLM実行にも対応する予定。RP2350はディスプレイや電源管理、ボタン入力などを制御し、Linux非起動時でもデバイスを操作できる点が特徴だ。ネットワーク機能はGigabit Ethernet×2、Wi-Fi 6E(2.4/5/6GHz)、USB Ethernetを標準搭載し、M.2モジュール経由で5GやLTE、衛星通信(NTN)の追加も可能だ。
同社はまた、製品の完成を待たずに開発プロセスそのものを公開する「Flipper One Developer Portal」も立ち上げた。内部の設計ドキュメントや議論、未完成の仕様書を含むWikiを一般公開し、ハードウェア、Linuxカーネル、ファームウェア、UIなど各分野でコミュニティからの貢献を募っている。またLinux kernel開発企業の英Collaboraと協力し、RK3576の完全なメインラインカーネルサポートを目指しているが、RAMチップの調達問題など財務および技術面のリスクも抱えており、ゾフナー氏は「率直に言って、私たちは本当に怖い思いをしている」と語った。
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