イーロン・マスク氏の「Terafab」、建設地決定 テキサス州グライムズ郡に168億ドル投資
米SpaceXと米Teslaは8月6日(現地時間)、両社が計画する次世代半導体工場「Terafab」を米テキサス州グライムズ郡に建設すると発表した。初期フェーズの設備投資額は約168億ドル(約2兆5000億円)で、3000人以上を雇用する。グライムズ郡はヒューストンの北西約64kmに位置する。
Terafabは、両社を率いるイーロン・マスク氏が3月に構想を発表した半導体工場。ロジック、メモリ、先端パッケージングを「1つの屋根の下」に統合するとしており、2nmプロセスの採用や月産10万枚のウェハー処理能力が示されていた。発表当初、マスク氏は建設地をテキサス州オースティンと語っていたが、今回グライムズ郡に決まった。4月にはTeslaがオースティンの「Giga Texas」ノースキャンパスで、前段階となる研究用ファブを着工している。同月には米Intelが同プロジェクトへの参画を表明している。
同工場は1億平方フィート(約929万平方メートル)を超える製造スペースを備える垂直統合型の施設で、ロジックとメモリの製造、パッケージング、テストを1カ所に集約する。これにより改良のサイクルを速め、新たな計算資源の展開を加速できるとしている。生産するのは、Teslaの人型ロボット「Optimus」や自動運転タクシー「Cybercab」向けのエッジコンピューティングおよび推論に最適化したチップと、SpaceXが構想する宇宙空間のデータセンターを稼働させる高出力チップだ。
両社は、SpaceXとTeslaを合わせたチップ需要が1TW(テラワット)を超える計算規模になり、現在の世界全体の供給量を大きく上回る見込みだと説明。現在のチップサプライヤーには感謝しており可能な限りの増産を促しているとした上で、この需給ギャップがTerafabの必要性の中核にあるとしている。
初期フェーズの投資額は約168億ドルだが、将来の拡張フェーズを含めた総投資額はさらに大きくなるとしている。雇用は3000人以上を見込み、その多くをグライムズ郡と隣接するブラゾス郡から採用する見通しだ。テキサス州でのSpaceXの事業は2024年以降、直接・間接合わせて5万6000人以上の雇用と280億ドル超の経済効果を生んだとしている。
環境面では、工業用水に地下水ではなくギボンズクリーク貯水池の水を使うこと、敷地内に排水処理施設を設けること、水の再利用と節水に取り組むことなどを挙げた。
テキサス州のグレッグ・アボット知事も同日、州がSpaceXに対しテキサス・エンタープライズ基金(TEF)から3000万ドルの助成金を交付すると発表した。同事業は州のJETI(Texas Jobs, Energy, Technology, and Innovation)プログラムの対象にも該当する。知事は「テキサスは大きなアイデアがさらに大きく育つ場所だ」とコメントしている。
マスク氏はXで、「テキサスのTerafabは、地球上で圧倒的に最大かつ最も価値のある建物になる」「そして、驚くほど美しいものになる」と投稿した。
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