「スマホ注文なのに客用Wi-Fiがない」のはなぜか? 導入しない飲食店側の事情(2/2 ページ)

日本のキャリアも優秀すぎた?

 その事情とは、日本の大手通信キャリアの優秀さだ。USENによれば日本の携帯キャリアの回線は海外に比べ強く、また自治体なども回線の弱い場所を補うための公衆Wi-Fiスポットを展開していた。そのため店が自前でWi-Fiを用意しなくても、客は困らなかった。

 しかし昨今は5Gの普及などで回線が安定した結果、Wi-Fiスポットの提供が終了するケースも出てきた。この動向とスマホ注文の普及がぶつかった結果、過渡期の現象として「スマホ注文を採用しているのに、客用のフリーWi-Fiがない」問題が生じている……というのが同社の見立てだ。

SNS頻出の疑問もぶつけてみた

 SNSでは「Wi-Fiを提供すると客の回転率が下がる。店舗は客の入れ替えを早くしたいからWi-Fiを導入しないのでは」といった声も見られるが、USENは「業態による」と、一概には肯定しない。仮に長居したとしても、その間に何度も注文が発生する業態──例えば居酒屋などの場合は、むしろ長居してくれたほうがありがたいからだ。

 そもそもスマホ注文自体、店員に声をかけるより気軽な注文を可能にすることで、客単価を上げる目的で導入されるケースもある。一概に回転率だけで語れるものではない、というのが同社の見解だ。

 同様に「店の都合でスマホ注文にしているのだから、店に通信量分を請求できないのか」といったSNSの声にも「難しいのでは」と否定的だ。法的な論点の回答は控えたが「例えば店が客にコンセントを使わせるとき、その代金を請求していないのと同じ扱いになるのでは」(USEN)

 とはいえ、店側がフリーWi-Fiを用意しないこともリスクももちろんある。「事実として、フリーWi-Fiがないことに対する抗議の声はある。もしGoogleマップなどに書き込まれれば、もちろん消えない。われわれも(顧客への提案時に)その可能性は説明しており、それでもいらないと言うなら、ある程度リスクを許容してもらっている」(USEN)

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