Meta決算、売上高26%増も営業益37%減 AIエージェント「Muse」は1000万人超が利用開始

 米Metaは10月21日(現地時間)、2026年第3四半期(7~9月)の決算を発表した。売上高は前年同期比26%増の646億100万ドル(約10兆2000億円)、純利益は264%増の98億6000万ドル、1株当たり純利益(希薄化後)は3.83ドルだった。前年同期は、税制改正法成立に伴う159億3000万ドルの一時的な税費用を計上していた。

セグメント別決算概要(画像:Meta)

 営業利益は37%減の129億8800万ドルで、営業利益率は前年同期の40%から20%に下がった。8月に発表した10代のメンタルヘルスとSNSを巡る訴訟についての米国の52の司法長官との和解(支払額は最大約185億9000万ドル)に伴い、関連費用として98億9000万ドルを計上したためだ。この費用を除くと、営業利益は228億8000万ドル、1株当たり純利益は7.40ドルになるとしている。費用総額は68%増の516億1300万ドル。スーザン・リーCFOは業績発表会で、訴訟関連費用に加え、インフラ費用と外部AIのトークン費用が増加の主因だと説明した。

 部門別では、「Facebook」や「Instagram」などのアプリ部門の売上高が26%増の641億5800万ドルで、このうち広告収入は630億6100万ドル。広告表示回数は10%増、広告単価は14%上昇した。

 VRやAIグラスを手掛けるReality Labs部門は、「Quest」の販売減をAIグラスの伸びで補えず、売上高が6%減の4億4300万ドル、営業損失は41億2900万ドルだった。

 マーク・ザッカーバーグCEOは業績発表会で、9月に提供を始めたパーソナルAIエージェント「Muse」について、約1カ月半で米国とカナダの1000万人以上が利用を開始し、その約25%が毎日使っていると明らかにした。最も多い用途は買い物で、Muse利用者の4分の1以上が活用し、平均購入額は200ドルを超えるという。世界展開を開始していないのは、計算資源の負荷が大きいためと説明した。

Museは北米で1000万人以上が利用しているとザッカーバーグCEO(画像:Meta)

 ザッカーバーグ氏は、今後1年で計算コスト効率を10倍以上に高める計画を示した。収益化については、大半の人には無料で提供し、仲介した取引に応じて事業者から手数料を受け取る仕組みと、高性能モデルなどを使いたい人向けのサブスクリプションを柱にするとした。Museは11月から「Meta Glasses」でも利用可能になる。

 同社はまた、9月に立ち上げた企業向けAI事業「Meta Enterprise Platform」を通じて、APIやコーディングエージェント「Muse Code」などの提供を進める方針を示した。VRについては、「Meta VR Glasses」のような大きな進歩がある場合にのみ新製品を投入する方針に切り替え、パーソナル超知能の実現を優先するとしている。

 第4四半期の売上高は730億~760億ドルを見込む。2026年通期の費用見通しは、和解費用を反映して1750億~1790億ドルに引き上げた。設備投資額の見通しは、従来の1300億~1450億ドルから1350億~1450億ドルに絞り込んだ。Reality Labs部門の損失は2026年に180億~190億ドル、2027年には約150億ドルに縮小する見通しだ。

 同日、議決権のない新たな株式「クラスC普通株式」の創設も発表した。既存のクラスAとクラスBの株式1株につきクラスC株式1株を配当として割り当て、実質的に1対2の株式分割となる。発効日は2027年1月19日で、取引は1月下旬に始まる見通し。既存株主の議決権は変わらない。資金調達や従業員報酬、買収などに使うことを想定しており、創業者主導の体制を維持しながら資金調達の手段を広げる狙いだとしている。

 なお、決算資料と業績発表会では、同日にニューメキシコ州の裁判所がMetaに命じた250億ドルの民事制裁金には言及しなかった。

印刷する
SNSでシェア
SpecialPR

関連記事

こんなメディアも見られています

ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。

メールマガジンを配信中
メールマガジンを配信中

国内外の業界動向、AIやクラウドなどの最新技術、キャリア情報など今知りたい情報をまとめてお届けします。

いますぐご登録

本日の新着記事

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

ITmedia NEWS SNS

X @itmedia_newsをフォロー

インフォメーション

ITmediaNEWSをフォロー

あなたにおすすめの記事PR