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気球を“臨時基地局”に――ソフトバンクモバイルが実証実験

» 2012年05月10日 21時22分 公開
[ITmedia]

 ソフトバンクモバイルは5月10日、災害などで通信障害が発生したサービスエリアを迅速に復旧させる「気球無線中継システム」の実証実験を開始すると発表した。

 3G通信用の中継局を取り付けた気球を地上100メートルに飛ばし、郊外地なら半径3キロメートル以上のサービスエリアを確保するというシステム。気球に取り付けた中継局は地上の中継元基地局と通信し、ソフトバンク端末に2.1GHz帯の3G 回線を提供する。気球と中継元基地局の距離は見通しで5キロメートル以上を確保するとしている。

photo 気球無線中継システムの概要

 気球は地面とロープで結び付けた係留気球を使用。北海道大学大学院情報科学研究科の小野里雅彦教授との共同研究を通じて同社が開発した「扁平型気球」を用いることで、空中姿勢を安定させるという。

 実験は2013年6月末まで愛知県稲沢市で実施し、通信速度や通信品質、サービスエリアの広さなどを評価する。同社は「今回の実証実験を通して得たノウハウやデータを活用し、災害時の速やかな通信ネットワークの復旧に努める」としている。

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