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» 2018年08月30日 10時00分 公開

AIがクラウドにもたらす進化 「自律型クラウドサービス」の衝撃とは

[PR/ITmedia]
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 近年、日本企業でもクラウド導入は着実に広がっている。その目的は、運用の手間やコストの削減、新規ビジネスの立ち上げ、業務プロセスの改善などさまざまだが、共通しているのは「ビジネスを効率化したい」という狙いだ。

 だが「クラウドには依然として課題も残されている」と、米Oracleでクラウド製品戦略を担当しているシッダールタ・アガルワル氏(Oracle Cloud Platform製品管理・戦略担当グループバイスプレジデント)は指摘する。

 アガルワル氏が指摘する問題点は、クラウドの「管理面」での非効率さだ。

photo シッダールタ・アガルワル氏

 これまでも、IaaSやPaaSなどではルールベースでの管理の自動化が図られてきた。しかし「クラウドは今でも、標準化が難しい管理作業がたくさん残されています。アプリケーションに応じたパフォーマンス調整やセキュリティパッチの適用など、人手による管理が強いられている分野は数多くあります。その結果、ビジネス環境の変化に素早く対応したり、迅速にセキュリティ対策を施したりしにくくなっているのです」とアガルワル氏は強調する。

 実際、多くの企業はシステムをせっかくクラウドに移行したあとも、その運用管理に多大なコストと手間をかけ、本来優先すべき戦略分野に十分なリソースを投下できていない。基本的な管理業務をクラウドベンダーに一任してしまう手もあるが、性能チューニングが自動化できず、ビジネス変化にともなうチューニングがたびたび必要になって追加コストが発生したり、アプリケーションの保守や更新に時間がかかったりと課題も多い。

 「これらの状況を乗り越え、クラウドを武器として使いこなすには、管理の抜本的な効率化が欠かせません」とアガルワル氏。そのための策としてオラクルが提示するのが、同社がいち早くビジョンを描き、AI(人工知能)の活用で実現にこぎつけた自律型クラウドサービス群「Oracle Autonomous Cloud Platform」だ。

AIによる自動化はクラウド管理をどう変えるか

 Autonomous Cloud Platformを端的に説明すれば、AIによってさまざまな運用管理業務を自動化するPaaSだ。最初に人が簡単なポリシー設定さえ行っておけば、あとは機械学習を基に、アプリケーションの立ち上げやセキュリティ対策、構成管理、障害対応といった管理作業を自動で行ってくれるという。

 その柱になっているのが、(1)プロビジョニングやクラウド環境の縮小/拡大、バックアップ、リストア、アップグレードを自動で行う「セルフマネージ」、(2)ダウンタイムなくパッチを適応する「セルフセキュリティ」、(3)自動で監視、チューニングを行う「セルフリペア」――の3つの機能だ。

 これらの機能をベースに、データ管理、システム開発、データ統合といった業務シーンごとの自律運用サービスも用意。いずれも用途ごとにチューニングした状態で提供されるため、「利用に当たって新規にプロブラムを書く必要はなく、非エンジニアの現場担当者でも活用できる」とアガルワル氏は話す。

 従来型のクラウドでも、閾値設定などによって一部の管理業務を自動化するアプローチは存在していた。だがAutonomous Cloud Platformは労働集約的な作業のほとんどをAIが代行する点で、過去の手法とは一線を画しているという。

photo クラウド管理の自動化は、ユーザー企業自身による管理、クラウドベンダーによる管理、そして自律クラウドへと進むとアガルワル氏は説明する

過去20年のノウハウで実現した「完全な自律型データベース」

 オラクルが自動化するのはクラウドインフラの運用管理だけではない。ビジネスシーンにおいて重要性を増している「データ活用」のために、Autonomous Cloud Platform上で新たに提供するのが、データベースサービスの「Oracle Autonomous Database Cloud」だ。

 Oracle Autonomous Database Cloudは、垂直統合型DB専用マシン「Oracle Exadata Database Machine」を基盤に、検索性能の最適化や自動診断による障害予測、エラー処理などの「自律化」を実現したクラウド型DBサービスだ。

 メニューとして、データ分析向けの「Autonomous Data Warehouse」と、トランザクション処理向け「Autonomous Transaction Processing」の2つを用意。数秒でデータウェアハウス(DWH)を読み込んだり、1秒間に数百万件のトランザクションを処理したりと、いずれのメニューも非常に高い処理性能を備え、オンプレミス環境よりも手間なく短期間でのデータ活用を実現できるという。

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photo マリア・コルガン氏

 「これら一連の新たなクラウドサービスは、DBの機能や管理性アップに長年取り組んできたオラクルの知見のたまものです」――OracleでDatabase System Technologiesのマスタープロダクトマネジャーを務めるマリア・コルガン氏はこう話す。

 コルガン氏によると、最初の一歩はOracle9i Databaseでクエリ更新を自動化した約20年前にさかのぼる。以来、DB基盤であるOracle Exadata Database Machineや、クラウドサービス「Oracle Cloud Platform」などでも、パッチ適用やAIによるセキュリティ対策の自動化などを並行して推し進めてきた。その成果が次のようなフルラインの自動化機能群として結実しているのだという。

  • DBを手間なく迅速に立ち上げる「プロビジョニング」
  • パッチ適用や全データの暗号化による「セキュリティ」
  • パッチ適用やチューニング、障害対応などの「管理」
  • バックアップやリストア、フェイルオーバーによる「保護」
  • ITリソースの割り当てを柔軟に変更する「スケール」
  • ワークロードの「最適化」

 一般的にDBの自動管理の範囲は、各種モニタリングを基にした対応の自動化にとどまる。対して、Autonomous Database Cloudでの自動化は、事前検証から事後対応まで幅広くカバーするのが特長だ。コルガン氏は「Autonomous Database Cloudは、ハードウェア基盤、DB、データセンターの運用、機械学習など、全ての構成要素を自動化して実現した、世界初の完全な自律型データベースと言えます」と力を込める。

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 利便性の高さも特筆すべき点だ。例えばDWHを利用するには、単にDBを構築して運用するだけでは不十分だ。最適な検索性能を得るためのチューニング作業や、貴重なデータを守るセキュリティ対策も合わせて求められ、それらがDB管理者の手をわずらわせていた。

 一方、Autonomous Data Warehouse Cloudでは、分析対象のデータ種類に応じて格納方式をカラム型と列型に自動で切り替えたり、システム管理者ののぞき見防止のためにデータを自動で暗号化したり、ワークロードの特性に応じてチューニングを行ったりといった一連の作業をAIが自律的に実施する。

 「DB管理者はパフォーマンス管理やセキュリティ対策などに関する単調な作業から解放され、業務部門とともにデータ活用モデルを構築したり、分析精度向上のためにアプリケーションをチューニングしたりと、データ活用のカギを握る業務に集中できるようになります。言い換えれば、Autonomous Database Cloudは企業におけるさまざまなデータ活用を底上げし、多様なイノベーション創出を支援する、他に例のないシンプルなDBと位置付けられます」(コルガン氏)

 Autonomous Database Cloudは、各種DBからの移行のしやすさも考慮されている。Oracleの全バージョンはもちろん、MySQLやPostgreSQL、SQL ServerといったDBからのシームレスな移行が可能だ。

人の作業は「付加価値を生むもの」だけに

photo 日本オラクルの竹爪慎治氏

 オラクルはIaaS、PaaS、SaaSをいずれも製品領域としてカバーすることで、企業にとって高付加価値なクラウドを提供していく考えだ。それらの将来像について、「IaaSはエンタープライズ基準の性能や価格とセキュリティ、PaaSは自律型機能、SaaSはAIを活用したインテリジェンスが求められていくでしょう」と、日本オラクルの竹爪慎治執行役員は説明する。

 中でも「今後、ますます活用が広がっていく」と見込んでいるのが自律型PaaSだ。同社は2020年までの目標として、これまで人間が実施してきたITシステムの設定、構成、監視、管理、拡張までのルーティン業務をクラウドが代行するビジョン「Platform Software as Autonomous Services」を掲げている。

 Autonomous Cloud PlatformやAutonomous Database Cloudのメリットを享受している企業はすでにいくつも存在している。例えば、アプリケーションの動作の遅さに悩んでいた物流大手の米Safexpressは、AIによる自律的なパフォーマンス調整を施し、人手の負担を最小限に抑えつつ課題を解決できたという。また、ストレージソリューション大手の米Western Digitalは、買収したSanDiskとHGST(旧日立グローバルストレージテクノロジーズ)とのITシステム統合にこれらのサービスを活用。DBの自律運用化により、Oracle Analytics Cloud経由での横断的なデータ活用を可能にしたという。

 アガルワル氏は、企業のデータ活用の将来像をこう展望する。

 「蓄積したデータに基づく新商品やサービス開発がますます重要になるのは確実です。成果の最大化に向け、これまで以上に迅速な判断やアクションも求められることでしょう。そこで必要なのは、データ収集から分析までのプロセスのさらなる簡素化です」

 AIによる自律化でそうした要求に応えるAutonomous Cloud Platformは、企業がデータドリブン(データ駆動型)に進化していく上で、強力な武器になるはずだ。

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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2018年9月17日