モナ・リザが走る！ 1枚の絵とモーションデータだけでぬるぬる動き出す「Magic Animate」が話題に

[ITmedia]

　画像、テキストと矢継ぎ早に新技術が開発されてきた生成AIだが、急速に動画分野にも進出しつつある。中国Alibaba研究グループが発表した「Animate Anyone」が話題になったばかりだが、今度はTikTokを運営する中国ByteDanceとシンガポール国立大学が共同で開発した「Magic Animate」が登場した。

走るモーションデータと1枚の静止画があれば、モナ・リザを走らせられる「Magic Animate」

　これは、人物が映っている1枚の絵／写真とモーションデータを組み合わせるだけで、静止画1枚しか情報がない人物をモーションデータと同じ動きでアニメーション化できるというもの。しかも人物の顔や服装といったディティールを保持したまま、かつモーションに引っ張られることなく安定した背景のままアニメーション化を実現している。同様のアニメーション化技術と比べて破綻が少ないのが特徴。

Magic Animateはアニメーションの破綻が少ない

　デモとして、走っている人物のモーションデータを使い、ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」や、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」を軽快に走らせたり、「DALL・E 3」で生成した人物イメージを踊らせたりしたビデオを公開。また、複数人を同時にアニメーション化させることもでき、写真の3人がキレのあるダンスを踊るデモも掲載している。

複数人に動きをつけることもできる

「Magic Animate」の構成図

　特に、走るモナ・リザの破壊力は高く、Magic Animateを紹介するX（旧Twitter）のポストに対し、「フェルメールもミュシャもムンクも、ナポレオンもベートーベンも聖徳太子も、みんな走らせてマラソン大会できちゃう」「『クララが立った』に次ぐ衝撃『モナリザが走った』」といったコメントの他、ネットミームの「止まらないオルガBBを思い出した」とポストするユーザーもいた。