どうなる「白くまくん」 日立が家庭用エアコンの製造から撤退で
日立製作所は7月23日、「白くまくん」ブランドで知られる家庭用エアコンの製造から撤退する方針を明らかにした。ただし「白くまくんは今後も同じ場所で作られ、HITACHIロゴを付けて販売され、サポートも日立が行う」という。どういうことか?
今回の発表は、家庭用エアコンの開発・製造を担当していた子会社・ジョンソンコントロールズ日立空調(JCH)の全株式を、2026年度第1四半期までにドイツのボッシュに売却することで合意したという内容だった。JCHはその名の通り、日立と米国Johnson Controls International(ジョンソン・コントロールズ)との合弁会社で、出資比率は日立40%、JCIが60%。ボッシュはその全株式を取得し、JCHを母体とする新会社を設立するという。
JCHは、栃木事業所、清水事業所の他、スペイン、インド、台湾、マレーシア、ブラジルに工場を持つグローバルなエアコンメーカーだ。このうち、業務用エアコンの開発・製造を行っている清水事業所は日立GLSに移管し、その他は全て新会社のものになる。
日立は、家庭用エアコンの製造から手を引く代わり、ボッシュの支援を得て業務用エアコンを世界に展開する計画だ。日立製作所の阿部淳副社長(コネクティブインダストリーズ事業統括本部長)は、「今後、ボッシュが有する豊富なフットプリントを生かし、日立ブランドの空調機器とデジタル技術を組み合わせたLumadaソリューションをグローバルに展開する」としている。今後はデータセンターやグリーンビルディングといった成長分野へも注力する。
一方、ボッシュのクリスティアン・フィッシャー副会長は「今回の買収により、ボッシュは日本やアジアを超え、グローバルで成長を加速する。JCHとボッシュは、地域そして製品ポートフォリオにおいて見事に補完する。著名で高い評価を誇る日立ブランドをライセンス展開できることを大変誇りに思うと共に、卓越した品質と定評ある基準の維持を保証する」としている。
そして国内向けの家庭用エアコン──白くまくんについては、ボッシュ傘下となる栃木事業所で、今まで通り作り続けるという。フィッシャー副会長の言う通り、ボッシュは日立からライセンスを受け、「HITACHI」ロゴと「白くまくん」の名称が付いたエアコンを製造する考えのようだ。
販売とサポートは日立GLSが行うため、「要は工場の資本が変わるだけ」。作り手やブランドは全く変わらないのにOEM(相手先ブランドによる製造)という、なかなか見られない形になりそうだ。
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