Verizon、買収成立に向けてMCI株の14％近くを取得

MCI買収をめぐってQwestと争っているVerizonが、MCI株の14％近くを取得したと発表。既にVerizonに賛同しているMCI取締役会との動きと併せ、買収はVerizon主導で動きつつある。

[ITmedia]

　Verizon Communicationsは4月9日、メキシコの富豪、カルロス・スリム・エルー氏からMCIの約4340万株を11億ドルで取得したと発表した。

　カルロス・スリム・エルー氏はMCIの筆頭株主であるFinancial Venturesのパートナー。Financial Venturesは4344万株を所有していた。米国の携帯キャリアMCIの所有権をめぐってVerizonとQwest Communications Internationalが争っている件で、Verizonが痛烈な一打を浴びせたことになる。

　取得金額は1株当たり25.72ドルの現金で、数週間後に購入取引は締結される。購入が成立すれば、VerizonはMCIの約13.7％の株を取得したことになる。Verizonの会長兼CEOであるアイバン・セイデンバーグ氏は「これは株を取得するチャンスであり、MCI買収に向けた重要な一歩だ。当社はMCI株主による投票に向けてこの状況を引き続き検討していきたい」と述べている。

　VerizonとQwestの最新の動きでは、4月6日にMCI取締役会が「確実性の高いVerizonとの合意を犠牲にして、Qwest提案にまつわる不確実性を取ることは望まない」との結論を出している。