NVIDIA、次世代Intel CPU向けチップセットの開発を中止
チップセットのライセンスをめぐり米Intelと係争中の米NVIDIAがここへきて、「裁判で決着が付くまでは、次世代Intelプロセッサ向けのチップセットの開発を行なわない」との意向を示し、注目を集めている。
GPU(グラフィックス処理ユニット)メーカーであるNVIDIAは10月7日、声明を発表し、DMI(Direct Media Interface)と呼ばれる次世代バスインタフェースを用いたIntelの新型プロセッサ向けのチップセットの開発を中止する方針を明らかにした。
ただしNVIDIAは、独立したFSB(フロントサイドバス)を持つアーキテクチャを用いた旧来のIntelプロセッサ向けのチップセットについては、今後も引き続き製造する計画という。Nehalem世代以降の新型のIntelプロセッサでは、従来とは異なり、FSBがチップに統合されている。Intelは訴訟において、「NVIDIAには次世代Intelプロセッサに採用されているDMIバスに対応するチップセットを製造する権利はない」と主張している。
一方、NVIDIA側の主張は、「自分たちには次世代Intelプロセッサに対応するチップセットを製造する権利がある」というものだ。
「当社は今後も引き続き、IntelのFSBアーキテクチャ向けの統合ソリューションの革新に取り組む。われわれはこの市場には今後も安定した需要があると確信している。だがIntelが不正な戦略を取り、顧客や市場に対し、新しいDMIバスは当社とのライセンス契約の対象外であるとの不当な主張を展開しているせいで、当社が新型プロセッサ向けのチップセットを販売することは事実上不可能となっている。そのため、来年裁判所でこの問題の決着が付くまで、われわれはDMIを使用したIntelプロセッサ向けのチップセットの開発を中止することにした」とNVIDIAは声明で説明している。
このNVIDIAの決定を最初に報じたのは、技術系WebサイトのPC Perspectiveだ。
IntelとNVIDIAの訴訟が始まったのは今年の2月のこと。
Intelは今年2月、デラウェア州衡平法裁判所にNVIDIAを提訴し、「Nehalemアーキテクチャを採用したIntelプロセッサ向けのチップセットを開発し、統合メモリコントローラなどの機能を提供する権利がNVIDIAに認められているかどうか」について、判事に判断を仰いだ。IntelとNVIDIAは2004年、Intelプロセッサに対応するチップセットの製造をめぐりライセンス契約を交わしている。
Intelは訴訟において、Nehalemをベースとしたプロセッサやそのほかのマイクロアーキテクチャ設計をベースとした新型プロセッサはこのライセンス契約の適用外だと主張している。一方、NVIDIAは、Intelとのライセンス契約により、自社には引き続きこうした新型プロセッサ向けのチップセットを製造する権利が認められていると反論している。
「念のために記しておくが、NVIDIAと当社は2004年のライセンス契約をめぐり係争中だ」とIntelの広報担当者チャック・マロイ氏はeWEEK編集部宛のメールで説明している。「1年以上にわたり話し合いによる解決を目指したものの、合意に達することができなかったため、われわれは今年2月、確認判決を求めて訴訟を起こした。争点は、FSBを搭載しないIntelプロセッサに対応するチップセットを製造する権利がNVIDIAに認められているかどうかだ」
このIntel対NVIDIA訴訟はデラウェア州衡平法裁判所で争われている。審理の具体的な日程は未定だ。
訴訟は係争中だが、IntelとNVIDIAの業務提携は依然として続いている。NVIDIAは引き続き旧来のIntelプロセッサ向けのチップセットを製造しているほか、NVIDIAのIONプラットフォームにはIntelのAtomプロセッサが搭載されいる。加えて、NVIDIAは同社独自のGPUも引き続き製造している。
NVIDIAは10月初め、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)や科学技術分野での利用を想定した次世代GPUアーキテクチャ「Fermi」を発表した。HPCではこれまでCPUアーキテクチャが主流となってきたが、NVIDIAはその代替選択肢としてGPUをこの分野に浸透させたい考えだ。
一方、IntelはCPUにグラフィックス機能を統合することを目指している。同社は2010年、この2つの技術を統合した次世代CPU「Arrandale」をリリースする計画だ。
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