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ネット上の共同創作、権利問題を議論 委員にドワンゴ会長など
ネット上での共同創作に関わる著作権上の課題について、文化審議会の小委員会傘下に設置されたワーキングチーム(WT)で議論が進んでいる。
複数のユーザーが、イラストや楽曲、編集技術を持ち寄って1つの動画を作るなど、ネット上での共同創作が広がっていることを受け、文化庁の諮問機関・文化審議会の小委員会傘下に設置された「契約・利用ワーキングチーム(WT)」で、ネット上の共同創作に関する著作権上の課題などを議論している。
政府の知財本部の専門調査会が昨年5月報告書(PDF)で、ネット上での一般ユーザーによる共同創作について、「権利管理ルールの明確化が必要」と示したことなどを受け、文化審議会著作権分科会法制問題小委員会傘下に昨年5月、WTを設置した。
座長は弁護士の末吉亙(わたる)さん。ドワンゴ会長の川上量生(のぶお)さんや、弁護士でクリエイティブ・コモンズ・ジャパン常務理事の野口祐子さん、ヤフー法務本部長の別所直哉さん、駒澤大学教授の苗村憲司さんなどが委員を務めている。
昨年8月から今年1月にかけて非公開の会合を3回開き、「UGC時代のコンテンツ制作の現状と課題」に関する川上委員の発表に基づいた意見交換や、Wikipediaでの権利処理、米国での共同創作物の特性などについての議論があったという。
今期のWTは終了したが、来期(2月5日以降)も継続して設置される見通し。共同創作の類型や課題について広く検討・整理し、議論を進めていく。
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著作権 | ドワンゴ | ニコニコ動画 | 文化庁 | フェアユース | 初音ミク | 川上量生 | UGC(User Generated Contents) | ヤフー(Yahoo!JAPAN)
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