Google、Facebookにユーザーデータ共有をめぐり圧力――APIの利用規約を変更(2/2 ページ)
Googleが、Facebookに連絡先データのエクスポートを強要する狙いで、自社の連絡先データに関するAPIの規約を変更した。
GoogleのData Liberation Frontプログラムの下、ユーザーはGmailの連絡先データをPCに可読なフォーマットで自分のPCにエクスポートすることは引き続き可能だ。ユーザーはいったんPCに読み込んだ連絡先データをFacebookにアップロードすることになる。
連絡先データをほかのサービスに自動的に転送できるようにする際は、転送先のサービスがデータ可搬性の標準レベルを満たしているとユーザーが確信できることが重要だ。この相互交換関係が、真のデータ解放世界を創造するための重要な一歩になることを、そして、この動きがほかのWebサイトがユーザーに連絡先データの自動エクスポートを許可させるきっかけになることを望んでいる。
Googleが規約に込めた意味は明白だ。Googleと同じ方法で連絡先データを共有しないサービスはデータ可搬性をサポートしていないということだ。データ可搬性という言葉は、“オープン”という表現とともにユーザーデータの共有を奨励し、共有しない企業を“クローズド”だとして非難するために使われる。
これは、Googleが広報活動をめぐってFacebookに振りかざした武器だ。FacebookはGoogleのオンライン広告機会に大きな脅威を与える初めての企業となっている。5億人以上のユーザーを擁するFacebookは成長し続けており、この巨大なネットワークを収益化する興味深い方法を見出している。
検索および広告製品の運営をマシンによるアルゴリズムに依存しているGoogleは、Facebookのソーシャル機能に対抗しようと必死だ。
Contacts APIを変更することで、GoogleはFacebookの成長計画を妨害できるだろう。その間に同社は、「Google Me」というコードネームで呼ばれる自社のソーシャルネットワーク機能を育てることができる。
興味深いことに、Googleのエリック・シュミットCEOは9月に、GoogleがFacebookの連絡先データに接続することを望んでおり、データを入手する方法を模索しているとメディアに語った際、今回の措置について警告したのかもしれない。
同氏は当時、Facebookからデータを入手する方法の1つとして今回行ったような強引な方法を使うとは言明しなかった。
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