合法に無料で見られるアニメ、違法ルートで見るのはなぜか 米国のオタクが語る:せかにゅ
米国では英語版「ONE PIECE」が合法動画サービスで無料配信されているが、それでもP2Pで違法コピーを入手する人もいる。その理由は――。
米国ファンがアニメを合法でなく違法ルートで見る理由
昨年、米アニメ配信会社FUNimationが、「ONE PIECE」をP2Pで交換していたユーザー1300人あまりを提訴した。ONE PIECEの英語版は合法動画サービスHuluで無料配信されている。このように日本のアニメを無料で合法的に見られる方法があっても違法ルートで選ぶ理由を、Ars Technicaが3人のアニメファンに聞いた。
この3人によると、違法ルートを選ぶ理由は価格ではないという。利便性――例えばBitTorrentのファイルは携帯機器で視聴できる――も理由の1つだが、それ以上に「早さ」「翻訳の質」が重要となる。ファンサブ(ファンが翻訳して字幕をつけたもの)版は公式の翻訳版よりもずっと早く出回る。例えば「Rebuild of Evangelion 2.22」は米国で公式リリースまで1年かかった。
また、ファンサブ版の翻訳の方が好きだからという理由もある。公式の翻訳版では日本独自の文化に関する言葉はカットされるが、ファンサブ版はそういった語句をそのまま翻訳し、分かりにくい言葉の場合、字幕に加えて解説文も挿入している。文化的文脈を排して「アメリカナイズ」された公式翻訳版は、日本の文化をよく知らない人には分かりやすいかもしれないが、熱心なファンには好かれないという。
日本の一部のアニメ会社はこのような状況に対応するため、海外向けネット配信などに取り組んでいる。
Why anime fans pirate the shows they love(Ars Technica)
Apple、iAdの最低出稿額引き下げ
AppleがiOSデバイス向け広告サービスiAdの最低出稿額を引き下げた。これまでは100万ドル以上払わなければiAdに広告を掲載できなかったが、半額の50万ドルとなる。iAdは2010年7月にスタートしたが、最低出稿額が高かったため、広告主は大手企業に限られていた。
Exclusive: Apple Halves Minimum iAd Buy(All Things Digital)
iPad新聞「Daily」にAndroid版も?
2月初めにiPad向けにスタートしたデジタル日刊紙「Daily」が、春にAndroid向けにもリリースされると情報筋が伝えている。DailyはNews Corp.がiPad向けに創刊した電子新聞。App Storeから週99セントで購読できる。
The Daily “iPad newspaper” will reportedly launch on Android this spring(The Next Web)
関連記事
- 日本のアニメが世界に「売れない」 生き残りの道は
不況や市場の飽和で、日本のアニメが世界で売れなくなっている。アニメ市場縮小の時代をどう乗り切るか――テレビ東京は米国の動画投稿サイトを活用し始めた。 - GONZO新作アニメ、YouTubeで海外向け無料配信 「ファンサブ」阻止狙い
GONZOは「ドルアーガの塔」などを、日本でテレビ放送した同日中に、海外向けにYouTubeで無料公開する。人気アニメは、日本での放送直後に、海外のファンが「ファンサブ」と呼ばれる字幕付きでネット上に違法公開していた。字幕付きアニメを公式配信することで、ファンサブ阻止を狙う。 - DVDが売れない時代のアニメビジネス GDHに聞く
- Appleの「iAd」、広告料はかなり高額――iPhoneとiPadでの料金は100万ドルになる可能性も
- 週99セントのiPadデジタル新聞「Daily」、News Corp.が発表
Dailyは週99セントで購読できるデジタル日刊新聞。TimesやWall Street Journalを傘下に持つNews Corp.が発行する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.