ザッカーバーグCEO、恒例の1年振り返りで「FacebookのDNAは根本的に入れ替わった」
フェイクニュース拡散批判や情報流出などで批判が高まったFacebookのマーク・ザッカーバーグCEOの「今年の個人目標」はFacebookの改善だった。同氏は2018年を振り返り、改善の成果を列挙して「FacebookのDNAは根本的に入れ替わった」と語った。
米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは12月28日(現地時間)、毎年恒例の“今年の目標のふりかえり”を自身のFacebookアカウントで投稿した。「FacebookのDNAは根本的に入れ替わった」という。
同氏が今年の1月4日に掲げた個人目標は、「Facebookの様々な問題の改善」だった。選挙への干渉を防ぎ、ヘイトスピーチやフェイクニュースの拡散を防ぎ、ユーザーによる情報管理を確実にし、サービスによる“デジタルウェルビーイング”としていた。
「こうした問題は1年で解決するものではない。だが、それぞれの課題について、複数年の改善計画を立て、そのロードマップに沿って前進している。これまでは、われわれはこうした問題に十分にフォーカスしてこなかったが、今ではより積極的に取り組んでいる」が、「だからといって、今後システムを改善する前に過去の過ちがあばかれることがなくなるわけではない」という。同社は今年、New York Timesや英議会などに問題を指摘されては釈明するということを繰り返した。
ザッカーバーグ氏は、4つの課題それぞれでの進捗を説明した。
選挙への干渉を防ぐ
偽アカウントやそうしたアカウントの連携による情報キャンペーンの検出システムを強化し、毎日数百件の偽アカウントを削除している。世界中のファクトチェック組織と協力し、フェイクニュースの検出と削除に努めている。広告の透明性についての新たな基準を設定した。選挙への影響を監視する第三者組織を設立した。世界中の政府や法執行機関と選挙で協力した。
ヘイトスピーチやフェイクニュースの拡散を防ぐ
ヘイトスピーチやテロ関連のコンテンツを検出して削除するAIシステムを構築した。ニュースフィードに表示される情報で、信頼できるソースのものを優先した。利用規約違反ではないが微妙なコンテンツの表示ランクを自動的に下げるシステムを構築した。AIが判断できないコンテンツに対処するため、人間による対策チームを3倍の規模にした。フェイクニュースの報告システムを追加した。透明性レポートに削除した害のあるコンテンツについての報告を追加した。ネットでのコンテンツ規制について、例えばフランスなどの政府との協力を開始した。
ユーザーによる情報管理を確実に
サードパーティー製アプリがアクセスできるユーザー情報量を大幅に制限した。GDPRのためのコントロールを欧州だけでなく、世界に適用した。広告システムでのサードパーティによる情報の使用を減らした。外部サイト履歴をアカウントから消す「Clear History」を開始した。メッセージの暗号化などを進めた。
サービスによる“デジタルウェルビーイング”
受動的な消費ではなく、有意義な社会的相互作用を促進するようにサービスを変更した。これにより、企業からの投稿の表示が減り、売上高の減少につながったが、「われわれは長期的にはより強いコミュニティとビジネスを築くことになると確信している」という。
「私はこれらの問題に取り組むことによって多くを学んだ。そして、まだこれからやるべきことは多い。(中略)新年を迎えるに当たり、これらの重要な問題について前進し続けることを約束する」(ザッカーバーグ氏)
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