サダタローのゆるっとマンガ劇場
ネットで酷評の嵐、映画「果てしなきスカーレット」を見に行ったマンガ家が、人のいない劇場で感じた孤独と置いてけぼり感(1/7 ページ)
11月21日に劇場公開が始まった細田守監督の最新作「果てしなきスカーレット」が、ネットを中心に酷評されているようです。ただ、ボクがネットを眺めていると高評価の投稿も一定数見られました。実際のところどうなのか……劇場に足を運んでみました。
果てしなきスカーレットは、前作「竜とそばかすの姫」から4年ぶりに公開された細田守監督の最新作です。しかし公開から4日間での興行収入は2億7000万円と、作品の規模や連休中だったことを考えるとキビシイ結果となっています。中世ヨーロッパのような世界観の中に突然現代日本でのダンスシーンが登場した予告動画が物議を醸したりと、プロモーション的な失敗もあったのかもしれません。
ボクはIMAX上映を見に行ったのですが、まずは劇場でのお客さんの少なさにビックリ! ボクを含めて3人しかいません。あまり人が入っていないという噂は聞いていましたが、平日の昼間とはいえまさかここまでとは……。ちなみにボクが見に行った劇場では、ボクが行った翌日に1日3回あったIMAX上映が1日1回に減っていました。
そんなガラガラの劇場で見た果てしなきスカーレットの感想ですが、個人的には面白くなかったです。勘違いしないでもらいたいのは、作品のクオリティは文句なしで高いです。細田作品の魅力ともいえる映像の美しさは本作でも健在ですし、芦田愛菜さんをはじめとした豪華声優陣のお芝居も素晴らしいものでした。
シェークスピアの「ハムレット」をベースにしたという、”死者の国”に落ちた主人公スカーレットの復讐劇もチャンと描き切っていますし、その中で細田監督が伝えたいこともしっかり分かりました。ただ、とにかく物語に没入するためのキッカケ、取っ掛かりがなくて、ボクは作品の世界に入り込むことができませんでした。
舞台となる”死者の国”のことがよく分からない上に、スカーレットの行動や思考も場面によってバラバラに見えます。現代日本から死者の国にやってきてスカーレットの手助けをする聖(ひじり)というキャラクターも、物語における必要性は理解できるものの、その描写の拙さから終始浮いている印象でした。
彼らの誰か一人にでも感情移入できればよかったのですが、起こったことをただ淡々と描く日記のような描写ではそれも難しい。キャラクターの魅力を感じられないので物語にも入っていけず、ボクは一人“置いてけぼり”を食らったようでつらかったです。
一方で、何か取っ掛かりがありさえすれば、クオリティーの高い作品世界に没入できるのかな、とも感じました。例えばハムレットの知識があれば違ったのかもしれません。それが一定数の高評価の理由なのかもしれないと思いました。
他にも色々と思ったところがあるので、詳しくは漫画で確認してください。
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漫画家のサダタローさんが、世界初の電脳編集者「リモたん」と一緒に話題のアレコレについてゆる~く語るまんが連載。たぶん週末に掲載します。
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