サダタローのゆるっとマンガ劇場
海賊版は良くてメーカーは悪者? 「ニーア」の勝手サーバ事件で海外勢の意見に驚いたマンガ家が声を大にして言いたいこと(1/7 ページ)
3月末に行われた仕様変更により、最近のX(エックス)では国際交流が盛んになっています(詳しくは過去の記事をご覧ください)。そんな中、ある海外ユーザーのポストが大炎上しました。それはサービスを終了したオンラインゲーム「NieR Re[in]carnation」を、プライベートサーバで復活させるという内容でした。
まず日本人を中心に、著作物の無断使用を非難する声が上がりました。一方で「また遊べる」と喜んだり、「価値あるIPを残すため」などと言ったり、そうした行為を正当化するかのような海外勢の意見がぶつかり合い、次第にヒートアップ。極論やキツイ言葉での言い合いなども散見されるようになってきています。ボクも今回初めて海外の人のゲームに対する考え方に触れ、自分の考え方とのあまりの違いにかなり驚きました。
論争を眺めていると、いくつかの傾向が見えてきました。一つは、どうやら海外の人はクリエイターと所属する企業を分けて考える傾向があり、しかも企業はクリエイターや客から搾取する“悪”であるといったイメージを持っている人が少なからずいるようです。そのためか、ゲームのサービス終了は自分たちからゲームを“奪う”行為で、抵抗するためなら海賊版も利用するといった感じなのでしょうか。
また、ゲーム、アニメ、マンガといった、一昔前は海外であまり流通していなかった日本コンテンツに海賊版で触れてきた経緯があるためか、海外の人は日本人ほど海賊版に抵抗がないように見えます。正規の流通ルートがなかったという事情は分かりますし、彼らの言う「海賊版によって世界に広く知られるようになったIPが存在する」というのも事実でしょう。ただ、海賊版がコンテンツの知名度を上げてくれた(から感謝しろ)みたいなニュアンスを感じてしまうと、ボクもマンガ家の端くれですから「何勝手なこと言ってるんだ」と思ってしまいます。
実際に、X上ではこういった文化的な背景の違いによる論争が、日夜繰り広げられているわけですが、そもそもの考え方があまりにも違いすぎて、お互いの意見が平行線を辿っている印象です。著作物の無断利用をおおっぴらに、しかもまるで正しいことであるかのように発信する海外勢に対し、ボクを含めた日本人が嫌悪感のようなものを抱いたことが原因なのかな、と感じました。
もちろん今回の騒動は、あくまでX上の一部海外の人達の意見であることには留意する必要があります。そして意見は大きく違っても、今まで知らなかった海外の著作物に対する考え方の一端を知ることができたのは有意義なことだと思います。
例えば昔のゲームであれば、今ではNintendo SwitchやPlayStation 5などのアーカイブで遊ぶことができますし、動画配信や電子書籍によりアニメやマンガの流通も選択肢が増えました。今後は海賊版を肯定するような意見に「よくない」と声を上げるだけではなく、海外の意見を日本のコンテンツ発信のヒントにできればいいな、と思います。先は長そうですが……。
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漫画家のサダタローさんが、世界初の電脳編集者「リモたん」と一緒に話題のアレコレについてゆる~く語るまんが連載。たぶん週末に掲載します。
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