レビュー

ワイドスクリーン“Z”がワークステーションになった──レノボ「ThinkPad Z61p」(2/2 ページ)

ThinkPadでワークステーションというと「Tシリーズのp」であったが、ついにワイドスクリーンの“Z”にもワークステーションが登場したのである。

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 このように構成要素はモバイルワークステーションとして、一緒に登場したThinkPad Z61mやThinkPad Z61tと一線を画する内容であるが、外から筐体を見ている分には汎用ノートとしてデザインされているThinkPad Z61mとさほど変わらない。前傾した断面を採用したスタイルやキーボード上に設置された「ThinkVantage」ボタン、TrackPointとタッチパッドが用意されたポインティングデバイス、筐体の側面に設けられたインタフェースなどはThinkPad Z61m、そしてその前のモデルであるThinkPad Z60mとほとんど同じである。

 インタフェースは正面にマルチカードスロット(SDメモリーカード、MMC、メモリースティック、xDピクチャーカードに対応)とワイヤレスネットワークモジュールのオンオフスイッチが、左側面にはFAXモデム、LAN、PCカードスロット(Type II×1)、ExpressCard(34、または54×1)、IEEE 1394×、右側面にはUSB 2.0×2、光学ドライブ、Sビデオ出力が設けられている。左右側面にあるインタフェースの位置にあわせてキーボード面の左右両側にアイコンが描かれているので、ケーブルの接続やカードの挿入が容易に行える。

 なお、Z61pではZ61m、Z61tで採用されていないBluetoothを実装している。逆に、Z61mで内蔵しているビデオ会議用のWebカメラにステレオマイクはZ61pに搭載されない。また、Z61mとZ61tの上位モデルで用意される「チタニウム・トップカバー」がZ61pでは存在しない。

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正面にはワイヤレスネットワークモジュールのオンオフスイッチとマルチカードスロットが、背面にはUSB 2.0が1つ実装されている
左側面にはFAXモデム、LAN、PCカードスロット、ExpressCardスロット、IEEE 1394が、右側面にはUSB 2.0、光学ドライブ、Sビデオ出力が設けられている
メモリスロットにアクセスするには底面からネジを外してパームレストを外す必要がある。この画像はついでにキーボードユニットも外している状態。左上には銅製のヒートシンクにヒートパイプを組み合わせたCPUクーラーが見える。HDDベイには底面からアクセスする

 そのスタイルと搭載するインタフェース、そして組み込まれたパーツの構成から判断するに、ThinkPad Z61pは汎用ノートのThinkPad Z61の筐体にワークステーションとしての使用に耐えうる高性能のパーツを組み込んだノートPCと見ることができる。搭載するCPUはThinkPad T60pのワンランク下であるが、最大解像度は1920×1200ドットとThinkPad T60pを上回る。

 ThinkPad Z61pの価格はダイレクト価格で34万9650円となる。これは、ThinkPad T60pの15インチ液晶ディスプレイ(最大解像度1600×1200ドット)搭載モデルの38万2200円よりも安い。同じディスプレイサイズで最大解像度も同じであるnw8440のHP Directplus価格が41万7900円であることを考えるとThinkPad Z61pの価格はかなり低く抑えられていることが分かる(ただし、nw8440はCPUがIntel Core Duo T2600、メインメモリがPC2-5300 DDR2 SDRAM/2GバイトとThinkPad Z61pを上回る構成になっている)。

 15.4インチというディスプレイサイズとCPU、メインメモリ容量などのスペックが目的の業務に十分対応可能であるなら、ThinkPad Z61pの「コストパフォーマンス」はモバイルワークステーションの大量導入を考えているユーザーにとって十分に検討できる選択肢となりうるだろう。

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