レビュー

最高峰のレッドか、定番のシルバーか――「Let'snote R」08年春モデル検証熟成を重ねたコンパクトモバイル(1/3 ページ)

重さ1キロを切る小型軽量モバイルノートPC「Let'snote R」の新作は、直販限定プレミアムモデルが充実。パナソニックの技術と職人芸の融合が見ものだ。

 「Let'snote R」は、パナソニックのモバイルノートPC「Let'snote」シリーズで最軽量を誇る10.4インチスクエア液晶搭載モデルだ。1月29日に2008年春モデルとして全シリーズがリニューアルされ、Let'snote Rにも最新モデルが登場した。同時に、同社直販サイト「マイレッツ倶楽部」限定の「Let'snoteプレミアムエディション」も天板カラーに3つの新色を加えてパワーアップしている。

 ここでは最新の個人向け店頭販売モデル「Let'snote LIGHT CF-R7CW5AJP」とともに、プレミアムエディションの新色で100台限定のスペシャルモデルとなっている「プロミネントレッドモデル」の試作機を入手できたので、あわせてレビューしよう。なお、新モデルの予約は現在受付中で、出荷は2月15日からになるが、残念ながらプロミネントレッドモデルは2月7日時点ですでに在庫切れとなっている。

だてに赤を着ているわけじゃない!

 まずは両者の位置づけをはっきりさせるため、Let'snote Rシリーズの個人向けモデルのラインアップを整理した。主な仕様を下記の表にまとめているが、ボディの基本設計はすべて共通で、違いはCPU、HDD、メモリなどのスペックや、ボディと天板のカラーリングなどとなっている。

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Let'snote Rのラインアップ
店頭販売モデル 直販モデル
標準 標準(ハイスペック) プレミアムエディション プレミアムエディション(レッド)
CPU 超低電圧版Core 2 Duo U7600(1.2GHz) 超低電圧版Core 2 Duo U7600(1.2GHz) 超低電圧版Core 2 Duo U7700(1.33GHz) 超低電圧版Core 2 Duo U7700(1.33GHz) 超低電圧版Core 2 Duo U7700(1.33GHz)
メモリ 1GB 1GB 1GB 1GB 2GB
HDD 80GB 80GB 160GB 250GB 250GB
Intel Turbo Memory なし なし なし あり(XPモデルはなし) あり
本体/キーボード色 シルバー/ホワイト シルバー/ホワイト シルバー/ホワイト ジェットブラック/ブラック ジェットブラック/ブラック
カラー天板 シルバー 11色 11色 ジェットブラック/スパークリングブラック/ミッドナイトブルー プロミネントレッド
OS Vista Business Vista Business Vista Business/XP Professional Vista Business/XP Professional Vista Business
バッテリー駆動時間 約7.5時間 約7.5時間 約7.5時間(XPモデル約7時間) 約7.5時間(XPモデル7時間) 約7時間
重量 約940グラム 約940グラム 約940グラム 約940グラム 約950グラム
サポート 1年保証 3年保証、3年特別保証(有償) 3年保証、3年特別保証(有償) 3年保証、3年特別保証(無償) 3年保証、3年特別保証(無償)
クリニック 有償 購入後1~2年の間に1回(有償) 購入後1~3年の間に1回(無償) 購入後1~3年の間に1回(無償)
そのほか 漆塗りUSBメモリ同梱

 店頭販売モデルは1種類(厳密にはOffice Personal 2007 with PowerPointの有無で2種類)が用意されている。同社の直販サイト「マイレッツ倶楽部」では、ハイスペックモデルを含めた2種類の標準モデルがあり、天板カラーの選択や3年保証などといった直販モデルならではの特典つきで購入できる。

 さらにマイレッツ倶楽部では、2007年冬モデルから高級志向の「Let'snoteプレミアムエディション」を用意。こちらはハイスペックモデルよりもさらにスペックを強化するとともに、本体のカラーやキーボードを「ジェットブラック」と呼ばれるつや消しの黒で統一し、サポート面でも差別化を図っている。このプレミアムエディションの天板カラーは、従来は本体と同一のジェットブラック1色だったが、今回からは光沢感があるスパークリングブラック、ミッドナイトブルー、プロミネントレッドと、3つの新色が加わっている。

左から、プロミネントレッド、スパークリングブラック、ミッドナイトブルーの天板。このほか、つや消し黒のジェットブラックも選べる

 中でもプロミネントレッドモデルは、高品質な多層塗装仕上げを施した“プレミアム中のプレミアム”といったモデルで、メモリ容量も2Gバイトとほかのモデルよりも多い。とにかく色合いと質感にこだわったというこのプロミネントレッドの天板は、何度も改良を重ねたうえに誕生した新開発の塗料を重ね塗りし、鏡面仕上げは職人の手作業によって行なわれているため、限定100台のスペシャルモデルとなっている。

 なお、全モデルの中でプロミネントレッドモデルのみ重量が10グラム増の約950グラムとなっているが、これは増設されたメモリモジュールの重さで、特別な塗装の天板が重いわけではない。前述の通り、2月7日時点でプロミネントレッドモデルは在庫切れだが、プレミアムエディションのほかのカラーでOSにWindows Vista Businessを選び、1Gバイトのメモリを増設すれば、天板カラー以外の本体仕様は同等になる(ただし、漆塗りUSBメモリは付属しない)。

さまざまな耐衝撃性/耐圧テストをクリア

 両者の基本設計は共通なので、標準の店頭販売モデルを前提に紹介しつつ、プレミアムエディションとの違いに触れていくという形で進めていこう。このLet'snote Rは、Let'snoteシリーズが掲げる小型軽量、長時間駆動、堅牢性といったテーマの中でも特に小型軽量を重視した、シリーズ中で最小最軽量となるB5サイズの1スピンドルモバイルノートPCだ。1キロを切る重量と約7~7.5時間のバッテリー駆動時間、堅牢性を兼ね備えている。今回の春モデルは、基本設計を従来モデルから引き継いだマイナーチェンジにとどまっており、型番も冬モデルと同じ「CF-R7系」となっている。

店頭販売モデルは、ボディ全体をLet'snoteおなじみのシルバーで統一している(写真=左)。プロミネントレッドモデルは、天板が深みのある光沢仕様の赤、ボディがつや消し黒となっている(写真=右)

 ボディのフットプリントは幅229ミリ、奥行き187ミリとB5サイズ(257×182ミリ)以下に収まる。高さは29.4~42.5ミリと厚みがあるものの、重量わずか約940グラム(プロミネントレッドモデルのみ約950グラム)のボディはとにかく非常に軽い。もちろん、2002年発売の初代機から1キロ以下のボディを継続しているRシリーズにとって、軽いのはもはや当たり前だ。

 Rシリーズの真価はボディの頑丈さにある。天板に凹凸をつけることで圧迫強度を高める「ボンネット構造」や、回路基板の一部を浮かせることでボディの変形から基板を守る「フローティング構造」、液晶ディスプレイ側の手前両端に凸部を、PC本体側に凹部を設けた「抱え込み構造」などのさまざまな工夫により、動作時76センチ(底面)、非動作時30センチ(26方向)の落下に対する耐衝撃性テストや100kgfの圧力振動に対する耐圧性テストをクリアするほどの堅牢性を備えているのだ。また、キーボードは全面防滴に仕上がっている。

 これらの試験結果は「ユーザーが同じことをしても壊れない」ことを保証するものではないが、こういった堅牢性に関する取り組みは大きく評価したい。実際に手に持った感触からもその堅牢性はしっかり感じ取ることができる。

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