遊び心を刺激するAir Forceに注目──「N260GTX Lightning」を楽しむ:イマドキのイタモノ(3/3 ページ)
オリジナル基板、オリジナルファン、そして外付けのチューニングユニット……。MSIの“遊べる”グラフィックスカードの充実した機能を堪能しよう。
最高クロックで15%の性能向上を実現
N260GTX Lightningのパフォーマンスを確認しておこう。測定はN260GTX LightningのGameモードとそこから最高クロックまでチューニングした状態、それから、グラフィックメモリ容量の効果を確かめるためにGameモードと同じクロックにしたN260GTX T2D896 V2、定格設定のGeForce GTX 260を想定して動作クロックを下げたN260GTX T2D896 V2という4パターンで行った。
同じ動作クロックに設定したN260GTX T2D896(グラフィックスメモリ=896Mバイト)とN260GTX Lightning(グラフィックスメモリ:1.7Gバイト)で測定した結果はほとんど同じで、3DMark Vantageで測定する限り、グラフィックスメモリの容量は測定結果に影響していないようだ。一方で、リファレンス設定のN260GTX T2D896 V2で測定した値と比べると、ともに3DMarksの値で1000ポイント上回っている。N260GTX Lightningの最高クロック設定では、それからさらに500ポイントほど上乗せされて、リファレンス設定との比較では約15%の性能向上が確認できた。
また、GPU-Zを使って3DMark Vantageを実行しているときのGPUと基板の温度変化も測定した。N260GTX Lightningでは最大値、最小値、平均値、そしてGPUコア温度、基板温度のそれぞれにおいてN260GTX T2D896 V2よりも10度ほど低い結果がでている。N260GTX Lightningの冷却効率はかなり高いと思われる。ヒートパイプと2つのファンを組み合わせたTwo Frozrの性能もさることながら、N260GTX Lightningで採用された10フェーズの電源回路、高品質なコンポーネントも基板温度を抑えるのに貢献しているだろう。電子部品の寿命が熱に大きく影響されることは言うまでもないが、信頼性が求められるPCにはこうしたN260GTX Lightningのようなパーツを検討したい。
とことん遊びたい自作PCユーザーを目覚めさせるグラフィックスカードだ
N260GTX LightningはハイエンドラインアップのミドルレンジクラスとなるGPUを搭載しているので、ベンチマークスコアを競うための製品ではない。N260GTX Lightningを選択する視点としては、オーバークロックモデルというよりも、動作クロックや駆動電圧をユーザーが自由に簡単にコントロールできるという利便性に比重が置かれる。また、高品質なコンポーネントは、オーバークロック設定における安定動作にも貢献するが、それ以上に、長期に渡って安定した動作を提供するメリットも大きい。ほかにも、低消費電力で静音動作というハイエンドGPUでは得がたい側面も実現している。
N260GTX Lightningは数量限定であるので、購入したかったのに入手できなかったユーザーも少なからず出るかもしれない。しかし、COMPUTEX TAIPEI 2009でも示されたように、LightiningシリーズではGeForce GTX 275を搭載したモデルも予定されている。Twin Frozrだけに注目すれば、こちらもGeForce GTX 275、同 260、そしてGeForce GTS 250を搭載したバリエーションが用意される予定だ。ただ、N260GTX Lightningは、GeForce GTX 260という比較的値段のこなれたGPUを採用し、Air Forceが標準で付属するという付加価値がある。「PCで思う存分遊びたい」ユーザーなら、やっぱりLightningでとことん楽しんでもらいたい。
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