“TWKR”なPhenom IIの6GHzオーバーデモを“kwsk”解説(2/2 ページ)
日本AMDは、「Phenom II X4 42 Black Editon TWKR」のライブデモを公開。“1トライ約1000円”の液体窒素をふんだんに使った冷却で6GHzオーバーに挑んだ。
梅雨時の湿気はオーバークロックの大敵なり
渡邉氏が説明会の前に行ったチューニングでは、6.5GHz(230MHz、倍率28.5倍)までオーバークロックできたことがCPU-Zの画面で示されたほか、事前の準備段階で2つのシステムがダウンしてしまったことも紹介された。ちなみに、システムがダウンした状況の説明では、起動時からうまく動かなかったケースが1例あったほか、もう1つの例ではCPUに統合されたメモリコントローラの一部に不具合が発生したらしい。「メモリスロットの外側2基は認識されるのに、CPUに近い内側2基が使えなくなった。マザーボードを替えても同じ症状が確認されたので、CPUのメモリコントローラに問題が発生したと思われる」(渡邉氏)
渡邉氏によると、Phenom II TWKRのオーバークロックを成功させる駆動電圧がPhenom II X4 955 BEに比べてはるかに低く設定できるそうだ。参考までに、先ほどの6.3GHz動作の駆動電圧は1.65ボルト、6.5GHz動作時の駆動電圧は1.744ボルトに設定されていた。
また、渡邉氏は、梅雨の時期に特有の「湿度の高さ」も、オーバークロック実演が困難であった理由として挙げている。「起動時で動かなくなったシステムは、高い湿度のおかげで結露が発生しやすかった。そのため問題が発生した可能性も考えられる」(渡邉氏)
なお、OVERCLOCK WORKSでは、今回行ったデモを7月4日(土)に同社店舗にて行う予定だ。
“強運”で「Phenom II TWKR」を手に入れる
日本AMDは、Phenom II TWKRを「CPUのF1」と呼んで、市販はしないが高い性能をアピールするためのCPUと考えている。土居氏の説明によると、Phenom II TWKRは今度生産される予定はなく、この世に存在するPhenom II TWKRは、いまあるロットのみとなる見込みだという。
このように、Phenom II TWKRは“意識の高いオーバークロッカー”に配布するだけで、一般ユーザーには販売しない。しかし、日本AMDでは「TWKR CoDE オーバークロック大会」を7月4日~7月22日に行い、この大会の参加者から抽選で選ばれた1名に、Phenom II TWKRをプレゼントすることを明らかにしている。
このオーバークロック大会は、Phenom II X4 955 BEを使って実現した動作クロックを競うイベントで、冷却は空冷のみとなる。参加者は動作したクロックを表示させたCPU-Zのキャプチャー画像と動作させたシステム構成を撮影した画像をイベントの公式Webページから投稿する。最も高いクロックで動作させた参加者にはCFD販売からオーバークロックに特化した「FireStix Inferno」シリーズでDDR3枚組みのパッケージとAM3対応マザーボードが賞品として与えられる。
また、6月30日以降のPhenom II X4 955 BEを購入して大会に参加したユーザーには、購入日と購入したことが証明できる写真か日付けと商品名の入ったレシートを提出すれば、バッファローダイレクト30%オフクーポン券がもれなくもらえる。オーバークロック大会の詳細は、こちらの「TWKR CoDEオーバークロック大会」公式Webページを参照のこと。
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