電気? つ、使えますよ……、晴れていれば──「西チベット」にITはありえるのか:山谷剛史の「アジアン・アイティー」(3/3 ページ)
外国人の立ち入りが難しいチベット自治区ラサから、さらに難度の高い西チベットに突入! ラサはまだ「都会」だった!! チベットの奥地で彼が見たIT事情とは!!!
西チベットでは電気が空から降ってきます
西チベットでは、電力不足のために日中は停電、電気が使えるのは夕方から夜12時までという集落も少なくない。さすがに、宿泊施設や海外旅行者向けの食堂、そしてインターネットカフェでは発電機を常備しているが、個人の家ではそうもいかない。中国の農村では経済状況が厳しい個人でも所有していた洗濯機が西チベットではほとんどなく、地元の人の多くは川で洗濯する。冷蔵庫も、もともと寒い土地なので食堂くらいしか必要ないそうだ。
とにかく、西チベットでは電力不足が常態化している。この問題を解決するために、西チベットでは太陽光が活躍する。各集落では、大小の太陽パネルがいたるところに設置されているだけでなく、“太陽光やかん湯沸かし器”なる、中国の内陸部でも滅多に見ない金物も西チベットでは日用品として使われている。家庭用の太陽光発電システムは大きな集落にある雑貨店で販売されていているほか、大規模太陽光発電システムは「西蔵無電県建設」「中国光明工程」「西蔵阿里光電計画」といった中国政府の国家プロジェクトで整備されている。
チベット自治区では、情勢不安定な要素を残しつつ、一方で中国の資金でインフラ整備が行われている。2010年には西チベットに空港が開港した。道路や鉄道、そして航空路といった交通インフラの整備に伴なう人的移動の活性化は西チベットに大きな変化を及ぼす可能性もある(それに伴なう伝統文化の消滅を危惧する反対意見も多い)。そのとき、西チベットの電力事情とIT事情はどのように進化しているのだろうか。
関連記事
失礼な! 電気は通っていますよ!!──チベットの“大都市”でIT事情を探る
日本では「ヒマラヤ!」の印象が強いチベット。情勢不安定で入域が難しく、生活する人の姿が見えてこない。PCやケータイを串、いや、駆使する人はいるのか?キルギスのインターネットカフェに潜入した
キルギスとウズベキスタンの騒乱が日本でも報じられている。現代の民族運動ではインターネットが大きく影響するが、両国ではちょっと事情が異なるようだ。異国で働くおじさんの土産は「dynabook」
中央アジアをズンズンと突き進む辺境ライターがキルギスタンとウズベキスタンのPCユーザーに出会った。旧ソ連製家電で埋まる彼らが使うPCはドコ製?月収1万円でハイエンド携帯電話を選ぶキルギスのIT事情
アジアの辺境ライターが、よせばいいのに硝煙残るウルムチから中央アジアに突撃した。くれぐれもお気をつけて。えっ、“かの国”より動きやすいって!僧侶も気になる海賊版──バンコクのIT格差を“ヤワラー”で知る
信心深い国民性の一方で、政権が何度となく“力”で入れ替わる激動のタイ王国。しかし、そういうこととは関係なく、PCショップを巡るのであった。「ブラウン管テレビすらない」中国農村の“家電下郷”効果
この連載でも繰り返し紹介している都市と農村の格差。家電の普及でその格差を是正する「家電下郷」の実態を探るべく、筆者は中国奥地へ足を踏み入れた。潜入調査!── 中国のちょい“裏”PC市場
北京や上海を訪れた日本人は、ショッピングモールを見て「おや、意外と最先端」と驚く。しかし、この記事を読めば「別な意味」で驚くことになるだろう。北京上海じゃ分からない──「絶対多数」の中国人民IT事情
もうすぐ始まるであろう“歴史ある世界規模のスポーツイベント”に合わせて多数の観光客が北京を訪れる。だが、北京や上海のような「国際都市」で目にする中国事情は、ごく一部の限られた話なのだ。中国復帰10年めの香港電脳事情
返還後に「100万ドルの夜景」もだいぶ変わったと聞く香港。10年でどれだけ中国に染まったのか。電脳街からのリポート。キーワードは「水貨」だ。「あらやだ、中国製なのこれ」──上海セレブにみる中国富豪のIT事情
中国奥地のIT事情には涙が止まらないが、上海は高級舶来PCやPSPであふれていた。「お、同じ国ですか」と思うほどに異なる中国最先端都市の電脳街を紹介しよう。べトナム「美人」PCユーザーのデスクトップを見てきましたっ!
日本の工場が大挙して進出しているベトナム。ITmediaとしては現地進出のための統計資料が喜ばれそうだが、そういう難しい話は抜きにしてベトナムの生活に根付いたPCを見たい。ゲルにITはあるか?──モンゴルで見たIT事情
「青い空と緑の大地をはるかかなたで区切る見渡す限りの地平線」というイメージのモンゴル。その首都ウランバートルのIT事情は実に面白いのだ。フォーとネットカフェで夜を明かすベトナムのPC事情
最近のベトナムは「世界の工場」「世界の市場」になるべく急速に成長しつつある。大都市ハノイを中心に、ITやPCが普通の人々の生活にどこまで入り込んでいるのか「東南アジアの突撃ライター」山谷氏がリポートする。中国「美人」PCユーザーのデスクトップを見てきましたっ!
「辺境突撃ライター」山谷氏による今回のリポートはいつもとなにやら雰囲気が違う。どうやら中国の「美人」に突撃を敢行した模様。そりゃ、いつも「PC」「ケータイ」「海賊版」が相手じゃ美人に突撃したくなるのも「わかるわかる」Windows XPでカレーが何杯食べられる?──IT大国インドの海賊版事情
中国の海賊版問題に続いて、今回はアジアにおいて海賊版が普及する背景にあるものを紹介する。舞台は小泉首相が訪問して両国間のIT交流を増やしていく」と述べたインド。このソフトウェア大国と中国と比較し、ついでに日本人はどうすりゃいいの?ってところまで考えてみた。中国の所得別PC事情に泣け
ニュースでも知られるように中国の沿岸部と内陸部で所得は大きく異なる。「都市」「村」ではその差が激しくなる。PC1台300万円、Windowsの1ライセンスが150万円。あなたはそれでもPC買えますか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.