3コアのFusion APUってどうなのさ? 「A6-3500」で確かめる:イマドキのイタモノ(3/3 ページ)
Fusion APUのAシリーズにトリプルコアモデルが登場した。コストパフォーマンスを高めるための3つのコアの“立ち位置”をAシリーズで比較する。
なぜ、トリプルコアのA6が登場したのか?
A6-3500のベース動作クロックとTurbo CORE Technology有効時の動作クロック、統合するグラフィックスコアの仕様、そして、TDPは、A6-3600と同じであることに注意したい。A6-3500がトリプルコアであるのに対してA6-3600はクアッドコアモデルになる。A6-3600の店頭出荷が遅れている理由に、単に市場投入のタイミングなのか技術的問題にあるのかは分からないが、ほぼ同一の仕様でクアッドコアモデルのリリースが遅れて、トリプルコアモデルが先に登場したことに、“なんらかに理由”があると思わずにはいられない。
これに関しては、A6-3500と同じタイミングで、FM1に対応したAthlon II X4 631が登場したことも留意しておきたい。好意的に考えれば、FM1の活用場面を拡大することになるが、そのターゲットとするユーザー層はそれほど大きくない(新興国では事情が異なるかもしれないが)。Athlon II X4 631の実売価格は、Aシリーズより低いが、外付けのGPUが必須な時点で“低コストPC向け”としての需要はない。
一方、外付けGPUを前提としたユーザーの多くは、6コアではなくクアッドコアモデルで、動作クロックもA8-3850相当の2.9GHzではなくA6-3650相当の2.6GHzであるなど、パフォーマンス面で選択する理由を見出しにくい。消費電力の面でも、TDPが100ワットのままなので、特に低消費電力タイプというわけでもない。
低消費電力で存在感を出すA6-3500。え? コア復活がなんだって
A6-3500は、スペックで見ると微妙な立ち位置ながら、3D性能では上位のA6-3650に引けを取らず、消費電力はクアッドコアのAシリーズから抑えられている。従来、ノースブリッジに統合されていたグラフィックスコアのTDPをCPUが吸収したとはいえ、“100ワット”という数字のインパクトが先行したAシリーズだが、それを統合して65ワットに抑えたA6-3500の登場は、消費電力と発熱を気にするユーザーには朗報となるだろう。
なお、これまで登場してきたPhenom II X3やAthlon II X3などのトリプルコアモデルでは、“コア復活”の事例があった。また、Athlon II X4 631にしても、グラフィックスコアがDisableされていて、その復活する方法が隠されている可能性もなきにしもあらず、だ。いずれにしても想像でしかないが、「人柱」的な期待でA6-3500を選択するというのも“アリ”だろう。
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