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折り曲げ可能、クラウド接続、そしてAR――HPが考えるPCの未来GIS 2012(2/2 ページ)

米Hewlett-Packardが5月9日から5月10日の2日間にわたり、中国上海で開催した「Global Influencer Summit 2012」では、過去の製品を振り返り、その上で同社が考える“未来のPC”について言及する場面があった。

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HPが考える未来のPC

未来のPC像を語るジョン・アポストロポロス氏

 折り曲げられるディスプレイについては、閉会時の基調講演でも触れられた。同社のモバイル&インプレッシブ・エクスペリエンス・ラボのディレクターであるジョン・アポストロポロス氏は「これまでHPラボは、原子時計やインクジェットプリンタなど、さまざまな製品を開発してきた。これからもイノベーションを起こしていく」と述べ、未来のPCを実現する技術を紹介。そのうちの1つに“折り曲げられるディスプレイ”を挙げた。

 「現在のディスプレイは厚くて重く、割れやすいし、平面しかない。これからのディスプレイは、プラスティックを素材にすることで、軽くて薄い、そして柔軟性があるため壊れにくく、折り曲げられるものとなるだろう。ロール状のフィルムに印刷するような工程で、低価格で大量生産できる」とアポストロポロス氏は述べ、PC部門とプリンタ部門が統合し、協力することで実現できるとアピールした。

 未来のPCを実現する技術として、アポストロポロス氏はこのほかに“未来のストレージ”とうたう、低消費電力で低コストなデータ保存用の電子回路技術「Memristor」(メモリストア)や、常時クラウドと接続している個人用デジタルデバイスを挙げた。消費電力を抑えることで搭載するバッテリーを小さくし、クラウドと常時接続することで内蔵ストレージを小さくするという2つの方向性でデバイスの軽量化を目指す。

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折り曲げられるディスプレイの説明(写真=左)。個人向けのウェアラブルデバイスや、曲線型のディスプレイなどの応用を紹介した(写真=中央)。未来のストレージを実現する技術「Memristor」(メモリストア)の説明。低コストで電力消費が少ないことが特徴だ。2014年~2015年の実用化を目指している(写真=右)

 プレゼンテーションでアポストロポロス氏は、未来のデジタルデバイスを利用して、生徒が学習するイメージを紹介した。生徒が使う端末は紙のように薄く、透明にもなるので、拡張現実(AR)との相性もよい。映像内では、自らが設計した橋の強度を確かめるため、端末を現実世界の川にかざし、ARを用いて橋の耐久テストを行う様子が示された。

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 「GPSなど各種センサーを搭載しているので、現実の地形と組み合わせてシミュレーションできる。これからは現実世界とデジタル世界の融合も進んでいくことになるだろう」とアポストロポロス氏はアピールした。

車やデジタルデバイスなど、街中のセンサーからデータを集めて、渋滞解消や環境問題の改善に取り組むという未来像を紹介。渋滞解消は、上海など交通量が多い大都市ならでは問題だ
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