キーボードが着脱できるWindows RTタブレット――「VivoTab RT TF600」はどう使う?:Surface RTが待ちきれない人へ(4/4 ページ)
コストパフォーマンスの高いキーボード着脱式タブレットを続々と世に送り出してきたASUS。Windows RTモデルの「VivoTab RT TF600」はどこまで使えるのか、じっくり試してみた。
Officeタブレットとしての存在価値
VivoTab RT TF600Tの価格は、本体が5万9800円、別売のモバイルキーボードドックが1万4800円、セットモデルが6万2800円(12月中旬以降の発売予定)だ。Windowsストアアプリが少ない点は徐々に解決されていくと思われ、使い慣れたWindowsでOfficeが追加コストなしで使えるという点で、AndroidタブレットやiPadに対して優位な点を見いだすことはできる。
しかし、Windows RTタブレットにはWindows 8搭載タブレットという、より強力なライバルが存在する。ASUSからも「ASUS VivoTab TF810C」というAtom Z2760(開発コード名:Clover Trai)を搭載したWindows 8タブレットが発売中だ。これなら32ビット版Windows 8のフル機能が使え、x86用のデスクトップアプリもすべて動作する。
ASUS VivoTab TF810Cの価格は7万9800円、重量は約625グラムと、高価でやや重くなるものの、「使い慣れたWindowsでOfficeも使いたい」というようなニーズなら、こちらのほうが格段に使い勝手がよいだろう。
タブレットでもOfficeが使いたいユーザーはたくさんいるだろうが、「アプリはOfficeだけ使えればいい」というユーザーはそう多くはないはずだ。Officeと一緒に使い慣れたデスクトップアプリを使えるのであれば、予算を多少上乗せしても、そちらを選びたいと思うのが自然だろう。
率直にいって、Windows 8タブレットという選択肢がある以上、VivoTab RT TF600Tという製品以前に、現時点ではWindows RTタブレットの存在意義自体が少し希薄といわざるを得ない。Windows RTという時点で対象ユーザーがかなり限定されてしまうからだ。ここは対応アプリやドライバの拡充を待つ必要がある。
それでも、「軽いタブレットでOfficeを使いたい」というだけでなく、「標準アプリとブラウザ、そしてOfficeさえ使えればなんとかなる」という範囲にまで限定するならば、Office 2013のコストまで含めるとWindows 8タブレットに対する価格面のメリットは小さくない。Officeを使う前提ならハードウェアキーボードとポインティングデバイスは欠かせないツールともいえるだけに、純正で完成度の高いモバイルキーボードドックが用意されているVivoTab RT TF600Tは、かなり魅力的な存在だ。
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