メカニズムは? サポートは? ホントにThinkPadなの?──「ThinkPad Helix」の気になるところを聞いてきた(前編):「ThinkPad Helix」開発チームインタビュー(3/3 ページ)
普段はClassic ThinkPad、時にはタブレット。着脱・変形機構を採用した新世代のThinkPad「ThinkPad Helix」はどんな経緯で開発されたか。「本当にThinkPadシリーズなのか?」の疑問を解消すべく、レノボ・ジャパン「大和研究所」のThinkPad Helix開発チームに話を聞いた。
サイズ、重量、パフォーマンスのため「ほぼ限界まで追い込んだ」熱設計
ITmedia 合体・変形機構にともない、ThinkPad Helixは「Configuable TDP」を採用しました。こちらの実装方法や考え方についてお聞かせください。
中条氏 Configuable TDPの実装自体はインテルCore プロセッサー・ファミリーのガイドラインに沿っていますが、アダプテーションはレノボ独自の電力を高度にコントロールする技術を組み合わせて実装しています。
ThinkPad Helix専用として開発・実装した冷却システム「ThinkPad Helix Dual Direction Cooling Technology」は、タブレットの状態で何ワットまで放熱できるか、ノートPC状態でキーボード部のファンも使って何ワットまで処理できるのかという計測データをもとに最適化したシステムです。この最大冷却性能に合わせ、最大のパフォーマンスを引き出せる値を割り出したうえで設計しています。
ITmedia 単純に冷却性能を強化する/調整するというものでもないわけですね。
中条氏 ThinkPad Helixの内部スペースから、これがほぼ限界──まで追い込みましたね。例えばファンを大きくすれば冷却性能を高められますが、バッテリー動作時間や動作音など他の性能が犠牲になります。これらをバランスさせ、静音を実現しながらCPUの持つ最大限の性能を発揮するよう設計しています。
Configuable TDPによりタブレットモード時にはクロック周波数が低くなりますが、システム全体として見ればCoreプロセッサーを搭載するので、Atom搭載タブレットと比べるとパワーは相当な余裕があります。ノートPCスタイルでのハイパフォーマンスさはもちろん、タブレットという用途においても求められるニーズを大きく超えたパフォーマンスを発揮できるというわけです。
(後編に続く)
後編では、新採用した“5ボタンクリックパッド”の工夫、バッテリー内蔵化の判断──などについて展開する予定です。
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