「日本も世界もシェア1位、それでもハングリー精神は忘れない」――日本HPの新ワークステーション発表会:14型Ultrabook、30型ワイドの液晶ディスプレイも登場(2/2 ページ)
日本HPがワークステーション製品のモデルチェンジを行った。製品群のブランドを「Z」に統一し、高いクオリティの製品を目指し続けることをアピールした。
プロ向けディスプレイのラインアップも拡充
ワークステーションの新モデルとともに、ワークステーション向け液晶ディスプレイのラインアップも拡充された。現行製品の「HP Z23iプロフェッショナル液晶モニター」「HP Z24iプロフェッショナル液晶モニター」に加え、新たに27型ワイドの「HP Z27iプロフェッショナル液晶モニター」と30型ワイドの「HP Z30iプロフェッショナル液晶モニター」を2013年10月3日に発売する。直販価格はそれぞれ7万7700円と16万3800円。
どちらも低消費電力のAH-IPSパネルを採用し、解像度は27型ワイドモデルが2560×1440ドット、30型ワイドモデルが2560×1600ドットとなる。映像入力インタフェースはアナログRGB、DVI-D(HDCP対応)、HDMI(ver1.4)、DisplayPort1.2の4系統をそろえた。このほか4系統のUSB 3.0ハブも内蔵する。
付属のスタンドはチルト(マイナス5度~20度)やスイベル(左右45度ずつ)、12センチの昇降、ピポットに対応する。そのほかの主な仕様は以下の通りだ。
「HP Zシリーズ」新製品の主なスペック | ||
---|---|---|
モデル | Z27i | Z30i |
画面サイズ | 27型ワイド | 30型ワイド |
パネルタイプ | AH-IPS/LEDバックライト | |
解像度(アスペクト比) | 2560×1440ドット(16:9) | 2560×1600ドット(16:10) |
輝度 | 350カンデラ/平方メートル | |
応答速度 | 8ms(GtG) | |
コントラスト比 | 1000:1(ダイナミックコントラスト比 500万:1) | |
入力端子 | DisplayPort1.2、HDMI、DVI-D、アナログRGB | |
消費電力 | 最大75ワット/標準60ワット | 最大125ワット/標準85ワット |
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 64.1×24.24×54.04センチ | 69.03×26.64×60.1センチ |
重量 | 7.6キロ | 9.96キロ |
価格(直販サイト価格) | 7万7700円 | 16万3800円 |
「ワークステーションの売り上げは伸びている」
記者発表会では、米Hewlett-Packard プリンティング&パーソナルシステムズグループ コマーシャル・ソリューションズ・ビジネス パーソナルシステムズグループ ワールドワイド・プロダクト・マーケティングディレクターのジョシュ・ピーターソン氏が登壇し、ワークステーション製品への取り組みを説明した。
ピーターソン氏は「HPはワークステーション事業を30年以上前から続けている。クオリティ重視の姿勢や、研究所ではなく顧客の意見を元にしたイノベーションはHPの強みと言える」と競合他社との差別化をアピール。このほか長時間稼働に耐える信頼性やモビリティ(持ち運びやすさ)にも注力する。特に昨今はモビリティを重視しているとのことで、今回のHP ZBookシリーズもこうした流れで開発が進んだ製品といえる。
2012年はワークステーション市場が停滞し、出荷台数がマイナス成長となったこともあったが(IDC調べ)、2013年は市場が拡大しており、ピーターソン氏は「この成長はこれからも続くだろう」と予測する。ワークステーション製品における同社のシェアは世界1位(IDC調べ)となっているが「ありがたいことだが、この結果に満足しているわけではない。今後もクオリティを追究するハングリー精神を持って開発を続ける」(ピーターソン氏)と強調した。
日本市場においても、HPは5年連続でワークステーションシェア1位を獲得している。直近の2013年第2四半期も40%以上のシェアを獲得し「6年連続の1位も確実」と日本ヒューレット・パッカード プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 パーソナルシステムズ事業本部 ソリューション製品本部 本部長 小島順氏は自信を見せた。
小島氏は製品投入の戦略についても説明し、HP ZBookシリーズの3機種について「14型、15.6型、17.3型でモバイル重視のモデル、バランス重視のモデル、パフォーマンス重視のモデルと色付けをはっきりさせた」と述べた。
Ultrabook型のHP ZBook 14については、高パフォーマンスを追究するワークステーションと、薄型軽量ボディは一見相反する特徴に感じられるが、「現場で作業を行う建築業からのニーズが強い。今後は復興需要やオリンピック特需などで建築業は大きく伸びると考える」(小嶋氏)としつつ、「日本は製造業が息を吹き返しているし、クリエイターの活動も盛んだ。ワークステーション製品の売り上げは伸びていくと思う」と市場への期待も示した。
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