「Windows 10 Technical Preview」はかつてないスピードで進化するβ版だった?:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)
公開から3週間足らずで初のアップデートを行った「Windows 10 Technical Preview」。最新の「Build 9860」では多数の改善点といくつかの新機能が備わったが、これまでのWindowsプレビュー版と比べて、アップデートの方法や頻度が変わっている点にも注目だ。
高頻度アップデートは、製品版の機能追加ポリシーを反映したものか?
今回のBuild 9860では、もう1つだけ新機能が追加されている。それは「アップデート頻度の選択オプション」だ。「Update and recovery」の「Preview builds」を開くと、「Slow」と「Fast」のいずれかのオプションを選択できるようになった。
デフォルトは「Slow」だが、もし「Fast」を選択した場合は、バグの可能性も含めてアップデートがひたすら行われるようになるようだ。つまり、Fastは「すべてのアップデートを迅速に適用」して新機能をいち早く試すことを優先し、Slowは「落ち着いたタイミングでアップデートを適用」して後からじっくり検証することを優先する。
従来は比較的安定性を優先してきた傾向のWindows Updateだが、この「Fast」オプションの存在は興味深い。ある意味で、Windows 10の特徴を表したものかもしれない。
MicrosoftはWindows 10において頻繁なアップデートと機能提供を表明している。将来的にそのアップデート間隔は、最低でも定例セキュリティアップデートの行われる「毎月1回」、もしくは「さらに追加で月2回以上」といった具合に、2~3週間程度のサイクルでの提供を検討しているようだ。
もし今後もWindows 10 TPで1カ月数回程度のサイクルでアップデートが提供されるのであれば、これが製品版のアップデートサイクルに反映される可能性もあるのではないか、と筆者は考えている。
もっとも、Windows 10 TPは機能テストのためのプログラムであり、安定動作を目指した製品版とは異なる。さらなるフィードバックの取得と機能テストのため、わざと最新ビルドの一般提供サイクルを早めている可能性もある。
もう1つの側面として、Windows 10 TPのBuild 9841時点では未完成部分が多く、本来であればすでに予告済みの新機能であるAction Centerは、OSに入っていなければいけないはずで、これが新アップデートとして用意されたのは、初期開発時点では間に合わずに、少しでも早いタイミングでキャッチアップができるよう考えた結果なのかもしれない。
予告しているにもかかわらず実装が終わっていない機能としては「Continuum(コンティニュアム)」が挙げられる。2in1デバイスでタッチ操作のタブレット向きUIと、マウス操作のデスクトップUIを素早く切り替えるための機能で、現在はコンセプトビデオが公開されているのみだ。これもまた、数回のアップデートを経て一般提供が開始されることが期待される。
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